対応力に優れる“柔らかいロボット” ロボット工学の分野で、近年注目を集めているのが「ソフトロボット」。従来のかたい素材でできた頑丈なロボットとは異なり、その名の通り柔軟性に富む素材を用います。また大きな特徴は、すべてを緻密に制御するのではなく、あえて“あいまいさ”を構造に採り入れること。これによってしなやかな動きが実現し、周囲の環境変化に対しても柔軟に対応することが可能となります。 例えばロボットハンドの分野では、これまでの“かたいロボット”は、サイズがまばらなものを落とさずつかんだり、変形しやすいものを適度な加減でつかんだりするのが苦手でしたが、接触部を柔らかい素材にするなどの工夫を凝らしたソフトロボットは、それらの課題を克服します。「人工知能（AI）」 人工知能とは、人間の頭脳を人工的にシミュレートし、学習や推論といった人間が無意識に行う知的な活動をコンピューターに行わせるための技術。ロボット技術とともに発展してきた分野です。記録や計算などの単純なデータ処理とは異なり、画像・音声認識や会話の理解、人間の動きの予測など、従来のコンピューターには難しかった複雑なデータ処理を高速に行えるのが特徴。 人工知能の研究により、人間ならではと考えられてきた複雑な行動や手作業を機械でこなせる時代が近付いた、といわれます。例えば、道路状況を判断して安全に走行する自動運転、家電などを声で操作する音声操作など応用分野は幅広く、さらなる発展が期待されています。21
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