逆引き大学辞典2025年度版
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人文科学系統社会科学系統理学系統工学系統(商船系統含む)農学系統医療・保健系統家政系統教育系統芸術系統総合・学際系統 世界最高峰といわれるヒマラヤ山脈のエベレストは、大昔は海の底だったようです。その証拠に、山頂からは海の生き物の化石が見つかっています。数千万年前に起きたインドプレートとユーラシアプレートとの衝突により、その間にあった海底の地層が押し上げられ、ヒマラヤ山脈ができたといわれています。プレートとは、地球の表層部を覆う硬い岩石の層のことで、地球上には十数枚存在しています。 植物は、太陽エネルギーを使い、二酸化炭素と水から有機物と酸素を生み出す「光合成」を行っていますが、このメカニズムを模した「人工光合成」の研究開発が、現在進められています。人工光合成では、光触媒が太陽光に反応して水を分解し水素と酸素を生み出し、二酸化炭素と水素を合わせることで、化学品を合成。二酸化炭素を低減していく、脱炭素化に向けた技術の1つとして注目を集めています。55この分野に設置学科を持つこの分野に設置学科を持つ大学の資料を請求!大学の資料を請求!この分野の設置学科はページへGO!この分野に設置学科を持つ大学の資料を請求!この分野の設置学科はページへGO!のほか、大気中で起こるさまざまな現象を学ぶ「気象学」、地球上の現象について、物理学を利用して解明する「地球物理学」などがあります。 大学では、地質調査や鉱物採集、化石発掘といったフィールドワークが行われ、採取物の顕微鏡観察やDNAの抽出、分析装置による解析や、コンピューターによるシミュレーションなども実施します。 地学の知識は、自然災害の予測や、地球環境の問題にも役立てられるため、大学では地球環境や地球資源、地球と生命の関係性に重点を置くようになってきています。 広域科学分野の学部・学科は、学部再編のときに設置される傾向にあり、学ぶ内容は大学によってさまざまです。 大学によって異なりますが、入学するとまず、理学の5分野を広く学び、その後、専門分野を本格的に研究していくケースが多いようです。 また、一般的には出願時に専攻する学科(コース・専修)を決めますが、出願時に専攻を決めず、入学後、広域科学を学びながら、自らの興味や能力、適性などに応じて、学ぶべき専門分野を選ぶことができるカリキュラムを持つ大学も出てきています。地球や宇宙の過去と現在を知り、未来を予測する 地学とは、地球や宇宙の過去と現在を認識し、そこで生じる現象を考え、未来に向けた予測を立てていく学問で、地球内部の構造や表層部の現象から、太陽系惑星などについて研究します。研究対象は、大気や海洋、地震や火山など、幅広い分野にわたります。 地学は、地質や地層、化石などで構成される地殻を研究する「地質学」から発展し、物理学や化学の手法で測定・解析する「地球科学」や、その解析手法をほかの惑星にも用いる「地球惑星学」などへと広がりを見せています。 主な研究分野は「地質学」長期的な展望を持ち、幅広い視野を養う 広域科学とは、理学(自然科学)系の学問領域を融合して、長期的な展望を持ち、幅広い視点で大きなテーマに取り組む学問分野のことをいいます。 従来、理学系の分野は、数学、物理学、化学、生物学、地学の5つに分かれていましたが、広域科学では、1つの分野に限定することなく、分野の基礎知識や科学体系を総合的に学び、幅広い視野を養います。各専門分野の研究者や教員が連携して研究・教育にあたり、学生は長期的な展望を持ちながら、学部(基礎・専門課程)から大学院まで一貫して学ぶことができます。大昔、エベレストは海の底にあった!?植物に学び、役立つ物質をつくる人工光合成分野コード030501分野コード030601columncolumn129129地学の分野広域科学の分野

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