逆引き大学辞典2025年度版
91/227

 環境問題への関心が高まる昨今、開発が加速しているのが「地球にやさしい新素材」。中でも、食品廃棄物を活かす取り組みが進んでいます。例えば、食べるのには適さない古米を紙の原料に用いたり、あるいは食品加工の過程で捨てられた魚の皮を、バッグやスマホカバーの素材として活用したりするなど。これらの素材は環境保護の観点において優れているだけでなく、その独特な風合いも魅力です。 一般的に生物は、有機物の電子を細胞内で使いエネルギーを得ていますが、シュワネラ菌のような電流発生菌には、電子を細胞内で使用せず、細胞外に放出することでエネルギーを得るという性質があります。これを利用した、微生物燃料電池という発電装置をつくる取り組みが進められており、菌の培養液として水田の有機物を利用した「田んぼ発電」の実証実験が行われ、電流を取り出すことに成功しています。この分野に設置学科を持つ大学の資料を請求!この分野の設置学科はページへGO!この分野に設置学科を持つ大学の資料を請求!この分野の設置学科はページへGO!材料などと関連する、有機材料や分子について学ぶ。●高分子化学 合成繊維や染料、樹脂などの高分子材料を研究。●無機化学 セラミックスやセメントといった無機材料について探究。 このほか、医学や薬学、農学や食品化学といった分野を、幅広く学びます。 最近では、機能性材料や環境に配慮した新たな材料の開発が重視されています。有機化学と生命工学を融合させた分野を研究する学科も登場しています。を、遺伝子や、分子・細胞レベルで研究する学科”と、“バイオテクノロジーが生み出す、新しい素材やエネルギーを社会や環境にどう活用していくのかを研究する学科”とに分けることができます。 最近では、環境生命工学科や、環境生命科学科、生物環境化学科といった、環境に関連する研究を行う学科が増えてきています。 また、遺伝子工学や微生物工学などを主な研究対象とする遺伝子工学科や、化学との融合分野を学ぶ生命化学科、化学・バイオ工学科などがあります。生活に役立つ、新たな高機能素材をつくり出す 応用化学は、化学の理論や知識を活用して、新たな素材や物質を生み出す学問です。 応用化学の研究成果は、私たちの身のまわりにあるプラスチックや衣料品などに使われている合成繊維、ポリエチレンなどの合成樹脂、農薬や肥料、化粧品や医薬品などの製造にも役立てられています。 主な研究分野は、「物理化学」「有機化学」「高分子化学」「無機化学」などです。●物理化学 原子・分子レベルで物質や現象を解明し、物資が持つ光や熱、磁性や伝導性などを研究。●有機化学 医薬品や機能性生き物が持つ機能を活用し新たな技術を生み出す 応用生物学は、さまざまな生き物の機能を工学の分野に活用する学問で、バイオテクノロジー(生物工学)の核となる研究を行っています。 その研究成果は、食品や医薬品などの開発から、環境保全に関わる技術まで、幅広い領域に生かされています。 学びの中心となるのは生命科学分野で、「生化学」「生理学」「遺伝学」「有機化学」などの基礎から、「遺伝子工学」「細胞工学」「免疫工学」といった専門分野まで学びます。 学科構成は大学によってさまざまですが、大きく、“微生物から動植物までの生命現象60‌‌逆引き大学辞典2025年度版‌学問内容リサーチスマホカバーの素材に、魚の皮!?分野コード040501分野コード040601columncolumn普通の田んぼが発電所になる!?140141応用化学の分野応用生物学の分野

元のページ  ../index.html#91

このブックを見る