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家政系統

住居学の分野

住居学の分野

人間が生活を営む場所である「住環境」を、居ごこち(快適性)、美しさや清潔感(デザイン性)、使いやすさ(機能性)などの観点から検証。快適な住空間を実現するために総合研究する

分野の特徴

ライフスタイルに合った住宅と暮らし方を研究

 住居学は、人間が暮らしを営む場所である「住まい」を研究する学問です。
 建物(住居)および部屋(室内環境)を総合的に捉え、居心地(快適性)、美しさや清潔感(デザイン性)、使いやすさ(機能性)など、多角的な観点で検証する学問で、住宅の設計や施工など建物の入れ物の部分をつくる「建築」的な側面と、内装デザインや家具配置など室内環境をつくる「インテリア」の側面を扱うのが特徴です。
 住宅環境は、家族の構成・暮らし方によって多種多様です。共働きで子どものいない家族、育児中の夫婦、定年後の夫婦など、住む人に応じて“住みやすさ”の基準は変わります。また、最近は、都市圏などで単身者や少人数家族が増加しており、また高齢者だけの世帯も増えるなど、こうした新しい家族にも対応し、二世帯住宅、バリアフリー住宅など、家族や暮らしのスタイルに合わせた住宅環境を提供していくことが、住居学の役割となります。

住宅の地震対策や防犯も重要なテーマ

 住居学にはいろいろな研究領域があります。たとえば、部屋の間取り(配置と部屋数)、リビング、寝室、応接間、台所など用途ごとの部屋のデザイン、収納、廊下、トイレや風呂といった機能部分の配置など《住宅の基本設計》のほか、家族の人生設計に合わせた改築・増築の方法、高齢者や障害をもつ人のための住宅のバリアフリー化といったテーマがあります。さらに最近では、住宅の耐震や防火対策、防犯の技術も大切な研究項目となっています。
 住居学では、このように建物の構造と内装、インテリアなど住居全般の要素にわたって、
1. 「住宅デザイン」…建物の形や外装、内装インテリアの《美しさ》
2. 「住宅システム」…住居や住空間を環境としてみた《機能性・快適性》
という2つの側面から研究します。
 また、家具や生活道具などのインテリア、さらに、暮らしに関連の深い生活雑貨などの製品デザインを研究する領域もあります。

何を学ぶ

建築設計学とインテリアデザインを並行して学ぶ

 住居学では、まず住宅をつくる材料、丈夫で安全な住宅の構造など、住宅と建築に関わる基本的な工学知識を幅広く学びます。「構造力学」「材料力学」「建築材料学」「測量学」などの科目があります。また、人間の居住空間に深い関連をもつ都市環境、生活を支える資源・エネルギーに関する基本的な知識を学ぶ領域として「環境工学」「都市工学」「環境エネルギー学」なども履修します。
 実技科目では、住宅の外形構造の設計を扱う《建築設計》と、主に室内の空間設計を扱う《インテリアデザイン》の両面から、デザインや設計の技法を身につけるのが特徴です。設計の図面を描くのための「設計・製図」、美しく見やすいイメージ図を描くための理論と技法を学ぶ「図学」「デッサン」があります。また、コンピュータを利用した製図作成(CAD)やデザイン画作成(CG)の技法も学びます。

住宅と暮らしを《美しさ》と《機能性》の両面から学ぶ

 専門課程は《設計・計画》《構造・材料》《環境・設備》など、建築学とよく似た学問内容で構成されます。《設計・計画系》では「住居設計論」「色彩造形論」、《構造・材料系》では「住居構造学」「住居安全論」「住宅施工」などの科目があります。
 住居学では、人間の生活実感に強い影響を与える「環境」と「設備」が重視される点が大きな特徴です。住まいと街並み、都市環境という大きなテーマに、美しさ、機能性、安全性などの面からアプローチします。《美しさ》を追究する住宅デザイン系の科目には、「住宅環境学」「住宅意匠」「インテリアデザイン」などがあります。《機能性》を追究するのが住宅システム系の科目で、「住宅設備学」「住宅管理論」などがあります。
 また、人が暮らす街と都市環境の整備をトータルで学ぶ「都市計画論」「景観論」、人間の暮らしのスタイルを文化や歴史の側面から捉える「住文化論」「住居史」といった科目もあります。

Check Up!

めざす進路に合わせて3コースから選択 <人間環境デザイン学科>

1年次は共通のカリキュラムで学びながら進路を考えて、2年次にコースを選択。一級建築士をめざす【建築・まちづくり】、インテリアを中心に学ぶ【インテリアデザイン】、アパレルを中心に学び家庭科教諭もめざせる【アパレル・造形】にわかれて、学びを深めていきます。2・3回生合同の「プロジェクトゼミ」では、企業や行政と連携しながら地域の問題解決に取り組みます。

畿央大学 健康科学部

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