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教育系統

教員養成の分野

教員養成の分野

教育への情熱や意欲をもとに、自らの教養・人格を向上させ、教える能力や対話のコミュニケーション能力などの専門スキルを研究・体得。教育のプロフェッショナルをめざす専門課程

分野の特徴

人間の力を引き出すため、人間性と対話力を養う

 教員養成の分野は、学校教員が備えるべき技能や学識を研究し、学校や幼稚園の教員をめざす学問分野です。幼稚園から小中高まで、子どもの年齢にふさわしい「教え方」を体得するとともに、尊敬され慕われる教員となる資質を養うことが最大の目標です。
 学校ではそれぞれ個性をもつ大勢の子どもたちを相手にするため、一定の「テクニック」が不可欠です。もちろん子どもの理解力に応じてきちんと教えて理解させる能力を養うことが基本ですが、そのほかにも、心や身体の状態を推し量る観察力、相手の興味を引き出す対話力などが重要です。
 少子化による一人っ子の増加、携帯電話やテレビ、ネットで情報に囲まれる生活環境など、子どもの世界が大きく変わっていますが、なによりも、教師自身が人間として、物事を公平に判断できる見識や、信念に基づく判断力をもつこと、言い換えれば全体的な人間力が大事であることは、どんな時代でも変わりません。

子どもたちの成長に合わせた教育指導の方法を学ぶ

 「幼稚園」「小中学校」「高等学校」など、教える対象ごとに学科やコースが分かれていますが、基本的な研究領域は、ほぼ共通しています。
 たとえば、教科ごとの学習内容、理解度に応じた教育指導方法、学力を評価するための問題作成や採点方法といったテーマがあります。
 このうち中心に置かれるのは、それぞれの学校現場に即した「教育指導方法」です。
学校の現場では、子どもの成長に伴って「教え方」を変化させる必要があります。幼稚園では、音楽やお絵かきなど“遊びながら”学ぶこと、小学校では説明のわかりやすさに加え、勉強の“楽しさ”を教えることが重要であり、中学校では、担当する教科について、生徒の高度な質問にも答えられるほどの幅広い学識が求められます。
 さまざまな試行錯誤を通じて、先輩の教員たちが積み上げてきた教育実践技法の体系を理論的に分析・検証することに加えて、教育実習によって体験することで身につけていきます。

何を学ぶ

教室管理やカリキュラム編成など学校運営の実務も履修

 この課程では、まず教育を学ぶための理論分野として、心理学、社会学、人間関係学を学びます。そのほか、人間への深い愛情と理解、そして成長期にある子供に対する洞察力と包容力を養うための「倫理学」「文化学」「人間科学」を履修します。
 教員養成課程の多くは、教員資格を取得するために必要な科目を中心に、大きく《教職科目》《教科科目》の2領域でカリキュラムが編成されています。
 《教職科目》では、まず、教育の本質的な理念や目標を学び、教員としての心構えを身につける「教育原理」「教師論」、学校制度や入試制度といった基本的な教育システム、教育の法的制度について学ぶ「教育制度論」「教育法」「教育社会学」を履修します。また、学校の管理と運営、カリキュラムの編成など、学校の実務についての科目として、「学校経営論」「教育課程論」「教育方法論」なども履修します。

カウンセリング、生徒指導など「こころ」に関わる科目も

 《教職科目》でもう一つの柱となるのが、教員の大切な役割である“子供の精神の成長を支え、適切な助言を与える”ための科目群です。一人として同じではない“人間=生徒”を相手にするため、この種の学科目はとくに重要視されます。具体的には、「教育心理学」の基礎知識から、「カウンセリング論」「教育相談」「生徒指導」「進路指導」といった実践技法を学びます。
 《教科科目》では、学校で教える教科ごとの「学習内容」と「授業での指導法(教育法)」が中心となりますが、幼稚園・小学校課程と中学校課程では少し異なります。
 中学校課程では、「教科」ごとに担当教員が変わりますが、小学校では、基本的に1人の担任教諭がすべての教科を担当します。そのため、「国語」「算数」「社会」「理科」や「音楽」「図画工作」などの教科内容を学ぶ科目と、それぞれの教科の「教育法」科目が並行して配置されます。