系統別学問内容リサーチ
芸術系統
芸術系統は、感性による「美しさ」の創造をめざす学問領域です。絵画や彫刻、音楽、デザインなどの表現手段を用いて作品を創造し、人類が追い求めてきた《美》への感性を磨いていくことが目的となります。
この系統の学問分野
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美術の分野
絵画、版画、彫刻など、色とカタチによるオリジナリティのある造形によって「美」を表現する分野。いずれも具体化された作品により、人に感動を与えられるセンスや創作表現法を学ぶ
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工芸・デザインの分野
製品の形や映像・絵・文字などを使った、人間の視覚に訴える表現芸術。美術の応用領域として、社会ニーズにそった「美」を創りだす分野。「機能性」「快適性」を希求するのが特質
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音楽の分野
楽器や人の声を用いて、形や色彩のない「音」による表現芸術。単独もしくは複数による演奏や歌唱の技法を研究し、自らの感性で心の奥深くに響く美しい音楽をつくることがテーマ
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芸術系学際の分野
美術、デザイン、音楽という3つの芸術ジャンルの枠を超えた研究領域。「枠を超えた」というよりは総合した要素も。芸術への深い造詣をもとに、新しい芸術文化の創造や普及に貢献する
教育・研修のめざすもの
「美」や「快適さ」を感じさせる表現能力を鍛練する
芸術系統は、視覚的(目で見る)、聴覚的(耳で聞く)など、さまざまな表現手段を用いて、「美しさ」「快適さ」を創り出すジャンルです。
自分の価値観や主張を、自分自身の個性を、絵画・彫刻、デザイン、音楽などの表現によって「創造する」ことで、自分なりの「美」を追求していくことが目標です。
芸術の世界を志す人には、表現のための高い技法(手段)に加えて、日常の中に「美」を見抜く鋭い感覚、さらに、何かを表現したいという強い動機と意志が大切です。また、表現者への道は長く厳しく、大学の4年間はほんの初歩に過ぎません。技能についての基礎を築くとともに、感性についても美に対する自らの基準を模索する段階といえます。
現代の社会や世界文化からさまざまなものを吸収し、内面を豊かにしておくこと、単に自分の表現したいことを形にするというだけでなく、自分の感性で今を読み取り、それを表現して世に問うという姿勢も必要です。
将来の進路・職業
芸術的センスが“産業化”され、多様な分野へ進路拡大
将来の進路として筆頭に挙げられるのが、画家や彫刻家、写真家、イラストレーター、音楽家などの「芸術家」への道ですが、芸術のプロとして生活するためには、強い決意を持って卒業後も地道に腕を磨き、努力と研鑽で表現活動を続ける精神力が必要です。
一般企業の中にも「創作・表現」の活動ができる業種もあります。たとえば、工業デザイナーやグラフィックデザイナー、ファッションデザイナーなど、工業製品や商業で使われる「デザイン」を創り出す仕事、あるいはゲームクリエーター、報道カメラマンや放送技術者など、特定業界の技術職として働く道もあります。
そのほか、映画監督やテレビの演出家、音楽・映画・放送のプロデューサーなど、エンターテイメント産業で「芸術の企画・制作を担当する仕事」、さらに、企業の宣伝広告部門、美術館の学芸員といった「芸術をアレンジし、世の中に紹介する仕事」もあります。