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どんな分野?

 2008年には、アメリカ発の人気携帯電話が販売権争奪戦を勝ち抜いたキャリアから発売された。これを迎え撃つトップキャリアもより顧客に密着した新機種や新サービスを開始するなど、通信業界の競争は新たな段階に入ったといえる。
 ほかにも日常生活により密着したネットワーク技術として、自宅の電源コンセントから手軽にインターネットへの接続を可能にするPLC(電力線通信)が製品化。一方ネットサービスの世界では、SNS(ソーシャルネットワーキング)が多くのユーザーを獲得して新たな市場を開くなかで、趣向を凝らした新サービスも登場している。このように、ITの進展は私たちの生活に次々と大きな変革をもたらしている。

活躍の舞台

 ITへのアプローチには、ハードウェアとソフトウェアの両面がある。ハードウェアでは「電気通信工学」が中心で、たとえば高速なフラッシュメモリを用いた記録媒体「SSD」、従来のガラス製に比べて柔軟性の高い樹脂を用いた「プラスチック光ファイバー」など、IT技術に“高密度、高速度、高信頼性”をもたらす新素材やデバイスの技術を研究する。ソフトウェアには効率のよい通信技術、画像認識や加工の技術、暗号化の技術などがあり、情報工学や画像工学といったジャンルで盛んに研究が進められている。
 そのほか、IT技術を駆使して企業情報を使いこなす「経営情報学」「経営工学」、情報処理と計算理論を研究する「情報科学」など、さまざまなアプローチがある。

学問へのアプローチ

 ブログやコミュニティ、チャットや双方向ゲームなど、世界中の人々をリアルタイムで“つなげる”サービス、また、ネットによる株式取引やオークション、バンキングに代表される物品や金融を“取引する”サービスなど、ネットワークを利用した新たなサービスが私たちの生活を大きく変えつつある。
 IT専攻した人の進路は、こうした新サービスをハード面、ソフト面から支える技術者や営業・広報担当といった職種が中心。たとえば情報機器を製造、提供するメーカーやベンダーのほか、携帯電話や通信事業のキャリア、さらに情報通信を利用して商品を販売したり新サービスを提供するサービス業者など、活躍の場は情報・通信に関わるあらゆる業界に広がっている。

このキーワードについて学べる学問分野

工学系学際

新しい工学の視点から、人類が抱える重要課題や将来に大きな発展が期待される先端技術に挑むフロンティア領域。「資源工学」「地球環境工学」「先端工学」はその代表的な学際ジャンル

電気通信工学

電気や磁気の性質を応用し、生活や社会を快適にする、電気のエネルギー利用技術や情報通信などのエレクトロニクス技術を生み出す学問分野。機械としての表現されることも重要課題

経営工学

工場や企業、地域社会において、品質と効率性の向上を図るための方策を多角的に研究し、それぞれの最大効果を引き出すシステムと運用法を追究する分野。産業や社会に役立てる実用学

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