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どんな分野?
ユビキタスとは、社会にあるモノや人、組織などが相互にネットワークでつながることで瞬時に情報を伝達したり、高度なコミュニケーションを実現できる状況を指す。
20世紀末から始まった携帯電話の普及は、私たちの暮らしに根本的な変革をもたらした。元来は音声通話の手段だったケータイがメール端末となり、今やニュースや音楽・動画の入手も可能となり、電車の切符やショッピングの決済手段としても活用されている。さらに現在は、より高機能のスマートフォンも登場している。
このように自分が「今いる場所」の制約から解放される感覚が、まさにユビキタスのイメージであり、私たちはすでにユビキタス社会の入り口に立っているともいえる。
活躍の舞台
コンピュータやネットワークに関する専門技術を扱う「電気通信工学」の分野、特に「情報工学」「通信工学」などのジャンルを専攻するのが代表的な進路だ。大学では、たとえば通信インフラの構築と管理方法、ワイヤレスネットワークの技術、ネット社会に必須のデータ暗号化技術など幅広いテーマについて研究する。
人文科学や社会科学の系統にもユビキタス社会を実現するための研究分野がある。たとえば社会や企業での情報ネットワークの活用法を学ぶ「情報学」、情報ネットワークをビジネス戦略に利用する「経営情報学」、そのほか、ユビキタス技術が人間社会に与える影響を考え、新しいネットワーク社会を構想する「社会学」「文化学」からの視点も有効となるだろう。
学問へのアプローチ
大学でユビキタスに関する高度な技術と知識を身につけたエンジニアは、情報通信分野を中心としたビジネス社会の幅広い領域で活躍することが期待できる。
「ユビキタスな社会」とは、ネットワーク技術の究極の到達点であり、その実現に向けた技術の開発が情報通信分野をはじめ住宅や都市開発、商品流通などあらゆる領域で進められている。
たとえば現在は、デジタルテレビとパソコンなどの「情報家電」をネットワーク接続する技術が普及し始めている。将来は、冷蔵庫や洗濯機などの「生活家電」や「住宅設備」も含めた家庭の常時ネットワーク接続が提案されている。これが実現することにより、私たちの社会は理想のユビキタスへと一歩近づいていくことが期待される。
このキーワードについて学べる学問分野
工学系学際
新しい工学の視点から、人類が抱える重要課題や将来に大きな発展が期待される先端技術に挑むフロンティア領域。「資源工学」「地球環境工学」「先端工学」はその代表的な学際ジャンル
電気通信工学
電気や磁気の性質を応用し、生活や社会を快適にする、電気のエネルギー利用技術や情報通信などのエレクトロニクス技術を生み出す学問分野。機械としての表現されることも重要課題
数学
論理的思考によって、数・形・集合などの抽象的な概念の構造と原理(性質)を解明する理系の「哲学」。近代科学の土台となる基本的概念や定義、論理、推論の方法を研究する
理学系学際
既存の諸科学を融合した学際的な手法で科学の新局面を追究。《広域科学》の分野と似た内容ですが、「環境」「情報」「物質」「生命・バイオ」「システム科学」などの実践テーマに取り組む
社会科学系学際
資源枯渇、環境汚染、人口爆発、食糧不足、安全保障問題など現代的な大テーマに、従来の学問的枠組を超えてアプローチする新分野。「総合的な視点」「多彩なテーマ」がキーワード