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どんな分野?

 「タッチデバイス」とは、タッチ(触る)で操作するデバイス(機器)のこと。近年はスマートフォンやタブレットのほか、身体に装着して使うウェアラブル機器など、携帯して用いるタッチデバイスが多数登場している。画面に軽く触れる「タップ」、上下に動かす「フリップ」、2本の指を広げる「スワイプ」など、指先だけで多様な操作を実現できる。パソコンのように物理的なキーボードが必要ないため、誰でも直感的に使えるのが大きなメリットで、子どもや高齢者など、情報機器の操作が苦手なユーザーにも利用者を広げている。また、キーやボタンが省略されたことによる低コスト化や機械的な故障の低減、デバイスそのものの小型化といったメリットもある。

活躍の舞台

 タッチデバイスを実現するために重要なのが、タッチを検知するセンシング技術、そして液晶パネルやスタイラスペン(ペン型入装置)などの高度な電子デバイスだ。指先による操作は、液晶パネルにはめ込まれた特殊なセンサーによって実現しており、手袋をした手で触れても反応する、触れる圧力で複数の操作を行える、特殊なペンを使って毛筆のような文字を書けるなど、感度や操作性がますます向上している。
 こうした高度な技術分野で専門性を高めることで、携帯デバイスをはじめ、パソコン入力用のペンタブレットなど、タッチパネルを用いた機器の設計開発者として活躍できる。また、タッチ操作を生かしたアプリやゲームの開発者といった進路も考えられる。

学問へのアプローチ

 タッチデバイスに関する技術の分野で活躍したい人は、工学系統「電気通信工学」に進むのが一般的。デバイスの設計や開発に携わるには、ハードウェアからソフトウェアまで幅広く学ぶ必要がある。たとえば、ハードウェアではタッチパネルを薄型・軽量化する液晶技術、ユーザーの操作を検出するタッチパネル、スタイラスペンのセンシング技術(感圧式/電磁誘導式)などを研究。ソフトウェアではタッチ操作のインターフェース、タッチパネルによるナビゲーションの設計などを学ぶ。芸術系統「工芸学・工業デザイン」の分野という選択肢も考えられる。機能性や操作性、美しさなどの視点から、使いやすいタッチデバイスのデザインにアプローチする。

このキーワードについて学べる学問分野

電気通信工学

電気や磁気の性質を応用し、生活や社会を快適にする、電気のエネルギー利用技術や情報通信などのエレクトロニクス技術を生み出す学問分野。機械としての表現されることも重要課題

工芸・デザイン

製品の形や映像・絵・文字などを使った、人間の視覚に訴える表現芸術。美術の応用領域として、社会ニーズにそった「美」を創りだす分野。「機能性」「快適性」を希求するのが特質

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