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どんな分野?
「電子書籍」とは、デジタル機器の画面で読む書籍や雑誌などのコンテンツのこと。印刷媒体と異なるデジタルデータなので、文字サイズを自由に変更できる、ページ数(文字量)が増えても簡単に携帯できるという特徴がある。さらに、アプリやゲームと同様にインターネットのショップから簡単にダウンロードできるので、いつでもどこでも買える、印刷・製本や流通のコストがかからないといったメリットもある。
当初はパソコンまたは専用の端末が必要だったが、タブレットやスマートフォンなど、大勢の人がもつ携帯デバイスで使えるようになったことで普及が一気に進みつつある。特に、小説やマンガといったジャンルでは、若者を中心にニーズが伸びている。
活躍の舞台
書籍を電子化するための画像処理やデータベースなどのデジタル技術を大学で専攻した人の就職先としては、文字や写真、イラストの電子化に必要な機器を開発する光学メーカー、書籍コンテンツの処理やデータベースを扱うIT企業などが代表的だ。
電子書籍のニーズの広がりに伴い、出版業界では既存の書籍や記事のデジタル化を進めるなど、「紙媒体から電子・Web媒体へ」の変革が進んでおり、出版や印刷などの業種でも電子書籍の専門知識をもった人材の活躍のチャンスは大きく広がっている。また、出版に関する流通や経営を専門的に学ぶことで、書店や出版取次業への道もある。インターネット上で電子書籍などの電子コンテンツの販売を手がける企業も有力な選択肢となる。
学問へのアプローチ
電子書籍について大学で研究したい人は、工学系統「電気通信工学」を専攻するのが一般的な選択肢だ。書籍の文字や写真、イラストなどを電子化するための技法として、紙の書籍を撮影し画像として取り込むスキャニング、読み取った文字を機械的に判別しデジタル化して文字コードに変換するOCR(光学的文字認識)など、高度な工学技術を研究する。また理学系統「数学」では、電子書籍のデジタルコンテンツを活用するためのデータベース、プログラミングの基礎を学べる。
電子書籍のコンテンツの制作に興味がある人は、社会科学系統「社会学」という進路も考えられる。企画・取材・執筆・編集など、出版やジャーナリズムの基本を学べる。