テーマ 情報 IoT
その他のキーワード
どんな分野?
IoTとは、Internet of Things(物のインターネット)の略。携帯機器や生活家電、自動車や建物などの「物」がネットで結ばれること。身の回りの物同士をつなぐことで、人手に頼らず機能を自動化できるメリットがある。最近登場した、音声(言葉)によってテレビ操作やスマートフォン内の情報検索を行えるAI(人工知能)搭載のスピーカーは、その先駆けといえる。
住居や都市をIoT技術でスマート化する構想は、各企業や自治体がさまざまな形で実証実験を行っている。たとえば、AI技術と太陽光発電、大型蓄電池を組み合わせることで、家庭の冷暖房や給湯器具の大幅な省エネを実現する技術、自宅のロックやエアコン、照明機器、防犯装置を外出先から操作する技術など、一部はすでに実用化されている。
活躍の舞台
IoT技術の基盤となるのが、膨大なデータをインターネットに蓄積するクラウドストレージと高速ネットワーク通信、そして集めたデータを解析・学習しながらユーザーと対話する人工知能だ。そこで、この分野を学んだ人の進路としては、クラウドサービスを提供する企業、AI搭載のデバイスを開発するメーカーなどが挙げられる。
より大規模な都市のIoTに関わるものとして、AI技術でさまざまな業務を省力化、効率化する企業がある。たとえば、ビル内や道路上などの公共空間を多数の防犯カメラで常時監視し、人工知能の画像解析で異常を検知してユーザーに通告する警備会社。そのほか、人工知能技術によって複雑な電力供給システムを効率化するスマートグリッドを展開する電力会社なども選択肢となる。
学問へのアプローチ
この分野を学べる学問としては、工学系統「電気通信工学」が代表格。パソコンのしくみや電子デバイスに関する基礎知識を土台に、人工知能を「物」に組み込むソフトウェア技術のほか、大量のデータベースを扱うクラウドシステム、高速通信ネットワークなど、IoT環境を支える技術を修得する。
また、テレビ・照明器具をはじめとするIoT対応の家電や、これらを操作するスマートフォン、AI搭載スピーカーといった端末を製作するハードウェア技術まで幅広く学べる。
ほかに、家電製品やスマートフォンの性能を比較し、家庭内の情報機器の活用法について研究する「家政学」、快適な居住環境や住宅設備のあり方を考え、家庭へのIoTの導入と運用について研究する「住居学」も関連が深い。