テーマ 情報 自動運転
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どんな分野?
自動車に搭載されたAIが運転者の「頭脳」の役割を果たし、車間距離や道路の混み具合、歩行者との距離などを判断して車を走行させる自動運転技術。行き先を指示するだけで、GPSの位置情報やカメラの画像を解析して自ら速度や順路を決定し、目的地まで安全に走行できる完全自動運転車の開発が進められている。技術的な課題や法的責任など、まだ解決すべきハードルは多い。
一方で、自動ブレーキや自動追従走行、駐車時のアシストなど運転者をサポートする技術、いわゆる安全運転支援システムはすでに実用化されている。人為的なミスによる誤操作を防げるほか、駐車や狭い道路の通行など熟練を要する操作を任せられる、運転者のストレスや疲労を軽減するといったメリットがある。
活躍の舞台
この分野を学んだ人の進路としては、自動車メーカーをはじめ、自動車に搭載する安全運転支援システム、カーナビゲーションなどを開発する電子機器メーカーを含めた自動車産業が挙げられる。政府は、2025年をめどに完全自動運転車の実用化をめざしている。企業間の開発競争も激化しており、自動運転について大学で専門に学び、最新の技術とユニークな発想を身につけたエンジニアの活躍の道は大きく広がっている。
この分野には、従来の自動車メーカーのほか異業種からの参入も多く、有名なパソコンメーカーやインターネット企業が開発を表明している。さらに、情報通信系のベンチャー企業など、さまざまな業界からも名乗りを上げている。こうした自動運転技術の新規開発を手がける企業も1つの選択肢となる。
学問へのアプローチ
この分野を学ぶには、工学系統「機械工学」が代表的な学問。車体の構造、走行系やエンジン、ブレーキのしくみ、デザインといった自動車に関する総合的な知識と技術をはじめ、AIによる自動走行の制御技術、自動車の整備・点検技法、新型車の設計や開発、さらに道路交通に関する法律や制度まで幅広く学べる。
なかには、交通システムの安全化を学べる大学もある。自動運転を実現するAI技術を専門的に学びたい人は、工学系統「電気通信工学」に進もう。自動車に搭載する安全運転支援システム、完全自動運転車のためのプログラムについて研究する。さらに、自動運転が普及するうえで重要な道路交通網の整備、交通インフラについて研究する「土木建築工学」もおすすめの学問だ。