テーマ 法律・公共 公共団体
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どんな分野?
戦後高度成長にかげりが見えた1980年代から、民間企業にできることは企業に任せようという傾向が強まり、大きな政府から小さな政府への改革と公務員削減が進められてきた。近年は、医療や社会保険など公的サービスの負担が地方公共自治体の財政を圧迫して制度が危機に瀕している。また、全国一律政策の弊害や効率の悪さも指摘され、地方と中央の役割の見直しが叫ばれている。
行政(公務員)の役割は企業や国民と協力して、各地域の特徴に根ざした活性化と社会のしくみの改善を図り、貴重な文化や社会、公共物を未来に残すこと。そのために国と地方の公務員がそれぞれ権限と責任を分担する自負をもって、国民の意思をまとめていく姿勢が必要だ。
活躍の舞台
公共団体で働くには、国あるいは各自治体が実施する公務員試験に合格する必要がある。一般の職員(行政職)の場合、教養試験に加えて法律や経済(理論、経済政策、財政学など)、行政(行政学、社会政策など)の専門試験が課される。
大学では政治・経済、社会、経営などの分野をこうした試験への対策も含めて学んでいく。各学問分野とも基本的な理論体系を把握したうえで、行政や公共部門との関わりが深いテーマ、たとえば法律や条例、政策過程(行政実務や手続きなど)についての専門知識を習得することが大切となる。
特に地方公務員は住民にいちばん近い行政官であり、各地域の社会や産業、教育、文化、医療、福祉についての実情を知っておくことも必要だ。
学問へのアプローチ
国や地方公共団体は、住宅や道路などの社会基盤から市民の安全と災害対策、社会保険、教育、医療、福祉など、私たちの生活の全般に関わっている。公共団体で働く職種には、役所の中で働く一般の事務職(行政職)のほか、農林水産業や土木などの技術指導・監督にあたる「技官」、また議会の運営を行う仕事がある。そのほか、地域の現場に出て市民の安全を守る「警察官」や「消防官」など、能力と適性に応じてさまざまな活躍の場がある。
一般行政職では、就職後しばらくは一定期間(203年)ごとに転勤があり、さまざまな部署を担当しながら、行政の経験を積んでいくのが一般的。また、技官はそれぞれの出先機関や研究所で働くことになる。