テーマ 法律・公共 政治改革
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どんな分野?
戦後初めての政権交代が実現した2009年は、日本の政治にとって大きな転換点になることは疑いない。新政権への国民の期待は大きいが、前政権まで長年山積みになっていた難題は数多い。もっとも大きな問題は、国家予算つまり税金の使い道を見直し、適正な規模、適正な方法に導いていくことだ。
それとともに重要なのが政治改革。政治家には「政治資金」、行政官僚には「天下り」「贈収賄」という、お金にまつわる疑惑が常に付きまとっている。国民から預かったお金を振り分けるのが政治の役割なら、自分たちに関わる「お金」に対してクリーンであることは当然の条件といえる。この問題では、日本の政治システムに加え、政治を担う人々の倫理や資質を問うことが大切になる。
活躍の舞台
政治改革の問題を専門に研究する「政治学」にも、さまざまな研究アプローチがある。たとえば官僚機構や行政サービスのあり方を考える「行政学」、代表制と選挙システムを研究する「選挙制度論」、実際の政策がどのように決定するのかを扱う「政治過程論」などだ。また、民主主義や国家体制を根本から問う「国家論」「比較政治論」、政治思想と意識の変遷を研究する「政治思想史」といったジャンルも重要だろう。
政治学以外では、有権者の政治意識や行動を調査する「社会学」、人間の社会行動の指針について問う「倫理学」「哲学」、さらに社会の中での人間の合理的な思考法を研究する「論理」も、政治改革を論じるうえで有効な視点となる。
学問へのアプローチ
日本の政治改革が進むかどうかは、すべての国民の政治意識を高めることが大切だ。政治家を志望する人、行政や司法に関わる公務員をめざす人には、国を良くしていこうという強い信念が求められる。
政治家への道を歩むには、卒業後に政党・政治団体に所属して働くか、あるいは資格試験を受験して国会議員政策担当秘書となり、政治を実践の場で学んでいく方法が一般的。または、政策立案を専門的に学ぶ「公共政策大学院」へ進学する、公務員試験を受けて国の官僚(国家公務員)になる選択肢もあるだろう。
政治改革について学んだ人は、政治を見る眼と倫理観、合理的思考などが養われるので、将来の日本経済を担うビジネスマンとしての活躍も期待できる。