テーマ 法律・公共 くらしの安全
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どんな分野?
高層マンションに住んで郊外のショッピングタウンで買い物、というスタイルが広く定着し、私たちのくらしが変わりつつある。犯罪や交通渋滞など都市問題が地方にも広がっており、生活スタイルの異なる住民の共存や中心商店街の再生など「街とくらし」のあり方を再検討する必要が高まっている。
自宅や家族の防犯サービスを行う警備会社やセキュリティつきの住宅が注目されているが、個別の対策だけでくらしを守ることは困難で、街全体による総合的な取り組みが不可欠となる。
たとえば、市民・自治体・警察が一体となった地震・火災への備えや犯罪を許さない街づくり、さらに災害や犯罪の発生を想定した協力体制づくりなど、政策による根本的な解決が求められる。
活躍の舞台
社会の問題点を摘出し、具体的な政策を立案する「政策科学」、行政機構と政策実現のプロセスを研究する「行政学」、政策を実現するためのカネの問題を扱う「財政学」、さらに「法学」のアプローチが中心となる。社会基盤(インフラ)の建設と運営について研究する「土木工学」、住環境とライフスタイルについて考える「建築学」や「住居学」を中心に、都市・環境・生活といった切り口で社会や文化を分析する「地理学」や「社会学」、さらにこれらを総合的に研究する「防災科学」「環境防災学」といった新ジャンルもある。
そのほか、システムという視点で都市のあり方を考える「経営工学」や生活者の立場で社会問題に迫る「家政学」なども関連の深い学問だ。
学問へのアプローチ
安全や防犯を専攻した卒業生の進路としては、公務員のほか警備会社などで安全を担う勤務がある。
社会から事件や事故を減らし、市民の安全を守るには自治体や警察など公的な強制力のほか、コンビニや携帯電話など民間サービスとの連携もポイントとなる。たとえば、携帯電話が安否情報などメッセージの伝達を無料で行ったり、コンビニが情報伝達や支援物資提供の拠点となるなど公的な機能を果たし始めている。
また、街の人々が自然なつながりを保てるように住宅の過度な高層化を食い止めたり、公園や駐車場など共有スペースを効果的に配置するなど、狭い都市空間を快適に暮らすための工夫も必要になるだろう。