テーマ 法律・公共 第三セクター
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どんな分野?
国や地方自治体が経営し公的役割を果たす「公企業」と、物資やサービスを売って収益を得る「私企業」(民間企業)の中間的な性格をもつ「第三の事業体」を指す。
公共性の高い事業について、自治体と民間企業が資金を出し合って共同で経営するケースが多い。たとえば、鉄道・道路・空港などの国土交通インフラ、街づくりや土地・ビルの開発、さらに観光業やレジャー産業といった、さまざまな業界に広がっている。
設立や運営の資金に加え、事業のアイデアや運営ノウハウなど、民間がもつ能力を活用して、効率的な経営で成功に導くことが目的だ。主に地域の公共的な業務を担当しているが、コストのかかる事業が多く、採算性の実現が課題となっている。
活躍の舞台
第三セクターが担う公益性の高い事業について研究するには、「法学」または「政治学」系の学部に進学するのが一般的な進路となる。たとえば、国や自治体が社会に果たす役割を制度面から検証する「公共政策」、行政や公共サービスのあり方を考える「行政学」、具体的政策の立案や決定過程について研究する「政策科学」などの分野を中心に学ぶ。
そのほか、企業の経営という実務的な視点から鉄道や地域開発など公益の事業について研究する「経営学」、快適な街づくりや都市開発など公共インフラづくりの手法を総合的に研究する「都市工学」、企業経営のシステム化、効率化について専門的に学ぶ「経営工学」からのアプローチも有効になるだろう。
学問へのアプローチ
収益性の向上を第1の目的とはしない第三セクターだが、赤字が出たときには自治体が負担する制度になっていることが多い。企業体として経営の効率化と事業の安定化を図り、公的資金(税金)の無駄遣いを最小限に抑えつつ、サービスの向上を追求することが求められている。
第三セクターといっても、なんらかの事業を行う会社の一種なので、一般企業と同様に職員を募集している。地方鉄道や土地開発など地域社会に密着した業種も多く、地元のために役に立ちたいという意欲をもつ積極的な人材が求められている。また、鉄道の運行、開発計画の立案、施設の管理など、現場の業務につく職種では、運転士や建築士などの専門職の資格が有効になる。
このキーワードについて学べる学問分野
経営工学
工場や企業、地域社会において、品質と効率性の向上を図るための方策を多角的に研究し、それぞれの最大効果を引き出すシステムと運用法を追究する分野。産業や社会に役立てる実用学
社会学
家庭・地域・学校・企業など人間が作っている「組織」のしくみやはたらきを検証し、そこに生起する種々の現象を解析。社会病魔、福祉、環境、メディアといった現代的課題に迫る
経営学
人、モノ、カネ、情報を活用した「企業」活動の管理法と運営法を研究するジャンル。即戦力として実践的な知識と運用能力を養成するために、インターンシップ教育が盛んなのが特徴
法学
社会の公平さと我々の生活の安全を保つためのルールを学ぶジャンル。法律は、国としてのカタチを整える術、人々の行動の規範や手順のモデルでもあり、かつては万能視された時期も
政治学
社会を円滑に運営していくための方策=国家の形態、政治権力、それを生みだす人々の政治行動などを探求するジャンル。政治形態の歴史的推移や国家間比較なども重要な研究テーマ
社会科学系学際
資源枯渇、環境汚染、人口爆発、食糧不足、安全保障問題など現代的な大テーマに、従来の学問的枠組を超えてアプローチする新分野。「総合的な視点」「多彩なテーマ」がキーワード