テーマ 法律・公共 町おこし
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どんな分野?
大学卒業や転職を機会に都会の暮らしを離れて、生まれ育った地方にUターンする若者や、定年後の人生を田舎で過ごしたいという人が増えている。また、物質的な豊かさが達成され成熟社会に入った日本では、快適性・利便性だけではない人間本来の豊かな生活を求めて、地方の伝統的な暮らしが見直されている。
こうした潮流を背景に、地方都市や農村では、農業生産物や工業の特産品など地域の特色を生かした町おこしの取り組みが始まっている。
自然風景や歴史的な遺産など地方の新たな観光資源を発掘し、その魅力をアピールする動きも活発化。さらに、各地のB級グルメやご当地キャラクターなど、地方からの文化発信も新たなブームを呼んでいる。
活躍の舞台
公務員試験を経て、全国の都道府県や市町村の自治体に就職するのが代表的な進路。自治体には、町おこしのための政策立案や制度の運営をしたり、民間企業による地域開発事業、市民活動をサポートする「地域振興課」などの部門がある。そのほか、地元企業や有識者たちによる経済団体や産業団体に勤務することで、地域振興のための事業やイベントを企画する仕事にも携われる。
これから注目されるのが、地域の市民によって設立されるNPO団体。有給スタッフとボランティアによって運営され、地域社会の再生や、商店街の活性化といった取り組みを積極的に行っている団体もある。組織の規模は小さいが、それだけに能力次第では責任ある仕事を任されるチャンスもある。
学問へのアプローチ
町おこしについて専門的に学ぶには、現代の社会が抱えるさまざまな課題をテーマとする「社会学」を専攻するのが一般的だ。都市や町・村の構造と歴史、それぞれの特徴と長所・短所を分析したうえで、地域社会の再生や商店街の活性化、町並み保存など、具体的な振興策を研究する。大学の科目としては、自然環境と人間との共存を考える「環境社会学」、地域社会の実態と開発の方法を考える「地域社会学」などがある。また地域行政の役割について考える「政治学」も関連が深い。
「社会学」の応用領域である「観光学」も一つの選択肢。各地の自然・歴史・産業の特徴を分析し、それぞれがもつ価値を見出してビジネス開発や文化創造につながるプロジェクト立案の方法を実践的に学べる。