テーマ 法律・公共 社会政策
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どんな分野?
「社会政策」とは、社会で起こるさまざまな問題を解決するための公的な政策方針をいう。特に現在重要性が高まっているのが、低所得の人や障がいをもつ人、家庭環境に恵まれない人らの暮らしを支援し、公平な社会を実現するための対策。社会的な弱者は、一般的な法律や規則では十分に保護することが難しく、憲法に保障された生活水準と人権を守るため、特別な予算措置が講じられている。
さらに、環境や公害、福祉や育児、公共交通など市民生活に密接な政策課題は、大勢の人々の生活に大きく影響するにも関わらず、民間企業が事業運営しても利潤が上げにくく、採算をとることが難しい。そのため、多くの部分が税金でまかなわれる。政策執行の現場では、現状分析から対策の立案、現場での実践まで、なるべく迅速に運ぶことがカギとなる。
活躍の舞台
大学で社会政策について学んだ人は、国の政府や地方自治体に勤務する公務員が代表な進路だ。それには大学の課程を修了し、公務員試験を受験した後に、政府や自治体の採用試験をする必要がある。
公務員の仕事には、県庁や市役所で自治体の財務や政策立案を担当する業務のほか、医療(病院)、教育(学校)、公共事業(土木事務所)などの業務、また農業・工業など地域産業の振興に取り組む業務もある。さらに、地域の社会福祉や介護の現場で支援の仕組みを立案したり、実際に困っている人の支援に取り組んだりする職種も選択肢となる。
一般企業で、この分野の知識が役立つ職種としては、人事や労務管理や法務など、企業の管理部門に関わる仕事が考えられる。
学問へのアプローチ
社会政策というテーマを大学で専門的に研究したい人の進路としては、「社会学」または「政治学」という選択肢がある。「社会学」は、家族や学校、企業、地域社会などさまざまな組織の問題を扱い、現代社会における課題を研究する学問だ。経済格差や貧困、環境悪化など複雑な問題の現状を理解し、根本にある原理を探って公正で安定した社会を作るための方策を考える。
「政治学」は、公共的な政策の視点から現代社会の問題に取り組む学問。立法や行政など公的な組織の役割を理解したうえで、社会的な課題を解決するための具体的な政策について研究する。さらに「法学」では、労働法や経済法、行政法など、社会政策に関係が深い法律や条例を研究する。