テーマ 法律・公共 公共投資
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どんな分野?
公共投資とは、政府や地方自治体などが、道路・電気・水道などのインフラの整備をはじめ、環境保全と災害防止、教育や福祉の充実、産業の育成、地域社会の活性化といった公共の目的で行う金銭的な投資のこと。事業によって経済が活性化し景気がよくなる、地域の雇用が増えるなど、政策的な意図から行われるのが特徴で、原則として利潤を出す目的で行われる民間の投資を補っている。
たとえば、学校や病院の建設、土地の開発、道路や施設の耐震化、上下水道の改修、企業の誘致といったさまざまな投資のスタイルがある。住民から集めた税金が投入されるので、多くの人のためになる公益性と費用対効果の高さが求められる。
活躍の舞台
公共投資について研究したい人の進路としては、政府や地方自治体に勤務する公務員が代表格。土木政策、農業政策、産業振興政策、環境政策など、公共投資に関わるさまざまな政策を検討し、予算を配分して投資先とする事業や企業を選定する。また、地方の都道府県庁や市町村の役所には、住宅、教育、福祉といった分野での窓口応対、各地の実情に合わせて住民の要望に応えるサービスの企画・実施といった業務もある。
公共投資についての専門知識を生かすことで、企業や民間団体への就職も選択肢となる。銀行や証券会社などの金融業のほか、公共工事を請け負う建設業、電気・ガスなどインフラ関連の企業などが挙げられる。
学問へのアプローチ
この分野を学べる学問分野は、社会科学系統の「政治学」「経済学」が代表格だ。「政治学」では、政府や地方自治体など行政制度のしくみ、政策決定や予算配分の方法を理解したうえで、インフラ整備、福祉や社会政策、災害対策など、さまざまな部門で公共機関が果たすべき役割について考える。また、公共的な見地から国や地方の公共投資のあり方について検討する。
「経済学」では、財政や金融の側面から公共投資を研究する。公共投資が経済や産業に与える影響を、景気の上昇、雇用の増加、地域の活性化など、さまざまな側面から考える。さらに「経営学」では、民間企業による事業と公共事業との違いを理解したうえで、事業運営の視点から公共投資にアプローチする。