テーマ 法律・公共 弁護士法人
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どんな分野?
個人事業による運営が主体だった弁護士の業務を効率化し、経営を安定させるために、2002年に「弁護士法人」制度がスタートした。弁護士業務の法人化には、市民が訴訟や法律相談で利用しやすい環境をつくる、ニーズが多い都市部への進出を促す、山間地など人が少ない地域の法サービスのニーズをカバーするなど、さまざまなメリットも期待されている。
法律分野によっては業務の手続きをマニュアル化し迅速に処理して、たくさんの依頼を受けることで業務のコストダウンも図れる。また、専門分野に特化した弁護サービスを提供する法人も増えている。マスコミを使った広報活動による顧客獲得競争も激化しており、法律知識に加え経営的な能力も不可欠になっている。
活躍の舞台
この分野を大学で学んだ人は、司法試験に合格したのち一定期間の司法修習を受けて、弁護士、裁判官、検察官といった司法専門職に就くのが代表的な進路だ。弁護士法人のスタート以来、弁護士の業務形態は多様化している。弁護士事務所の経営に携わりながら顧客の依頼を請け負う、弁護士法人に従業員として勤務する、自ら弁護士事務所を起業するといった選択肢がある。自己の能力や理想とする弁護士像に合わせて、目標を定めることが大切だ。
法律知識を生かせる進路では、法律事務職、弁護士秘書など、弁護士の職務をサポートする「パラリーガル」という職種もある。裁判のための法律手続や書類作成、依頼人との契約書作成、裁判資料の収集や翻訳といったといった法律実務に携わる。
学問へのアプローチ
この分野と関連が深い学問は「法学」。憲法を頂点として、民法、刑法、商法、民事・刑事訴訟法など、あらゆる法律や条例を体系的に学ぶ。法学の目的は、法律に書かれた理念を実際の事件や紛争に適用し、できるだけ公正に判断すること。そのために必要なリーガルマインド(法的な物の見方や考え方)を身につけることが大学での目標となる。また、弁護士、裁判官、検察官といった法律専門家の役割と業務について実践的に学ぶ。
もう一つの選択肢が、国家の権力や行政を研究テーマとする「政治学」。国民の権利を保障している立法(議会)、行政(内閣)、司法(裁判所)という政治システム「三権分立」の理念やしくみを理解し、公共的な視点から司法や弁護士の役割を考える。