テーマ 法律・公共 ライフライン
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どんな分野?
ライフラインとは、人間の命や生活を維持するために不可欠な設備のこと。本来は危険な場所で生存を支える「命綱」を意味する言葉だが、日本では一般に、都市に張り巡らされた上下水道・ガス・電気などのネットワーク網を指している。そのほか、人間が暮らし、社会を円滑に運営するための道路・鉄道、情報通信ネットワークなども広い意味でのライフラインといえる。
都市交通、商業・産業などの社会活動を安定的に支えるため、ライフラインには公共事業として多くの税金が投入され、自治体や公的な企業が集中的に管理・運営している。失われると文字通り生命に関わるため、保守・点検・補修のほか、災害や事故の際に速やかに対応できるシステムづくりが行われている。
活躍の舞台
この分野を学んだ人の進路としては、ライフラインの建設や管理・運営を行う仕事が挙げられる。たとえば、発電所で電力を生産し、家庭や事業所に電力を供給する電力会社、都市ガスをパイプで供給する会社、プロパンガスの販売を業務とする会社などだ。
そのほか、市町村などの地方自治体が運営する水道事業の仕事もある。電力や都市ガスの事業で自由化が進みつつある最近では、異業種からの参入も増えており、高度な専門知識と技能を備えた技術者へのニーズが高くなっている。
大学で土木建築工学系の学問を学んだ人は、技術系公務員(土木技官)という選択肢もある。たとえば上下水道の敷設、道路、河川の建設・運営に携わる部門で専門性を発揮できる。
学問へのアプローチ
この分野には、技術面からと政策面からの2つのアプローチがある。ライフラインの技術を学ぶ学問で代表的なのが工学系統「土木建築工学」。大規模な社会インフラの建設、都市計画で大切となる水道・ガス・電気などのライフライン敷設や管理について学べる。ガスや石油などエネルギーの活用について学ぶなら「機械工学」、電力網や通信ネットワークを学なら「電気通信工学」という道もある。
政策面からライフラインを学びたい人は「政治学」がおすすめ。ライフラインを担っている行政のしくみを理解し、日常の点検・保守業務や災害や事故が起きた際の支援システムを行政の立場から学ぶ。また「社会科学系学際」でも、ライフラインや防災について学べる大学がある。
このキーワードについて学べる学問分野
電気通信工学
電気や磁気の性質を応用し、生活や社会を快適にする、電気のエネルギー利用技術や情報通信などのエレクトロニクス技術を生み出す学問分野。機械としての表現されることも重要課題
土木建築工学
古今東西で蓄積された土木建設の技法を修得し、建築物から町づくり、インフラ、防災まで、私たちが快適に暮らせる生活環境についての総合的なプランニング術を研究する学問分野
機械工学
ものづくりを軸としてきた工学の核となる<機械>を研究する分野。その原理と創意工夫を土台に新しい「機械」を設計・開発する。技術やパーツを組み立てる「機械システム」が中心に
政治学
社会を円滑に運営していくための方策=国家の形態、政治権力、それを生みだす人々の政治行動などを探求するジャンル。政治形態の歴史的推移や国家間比較なども重要な研究テーマ
社会科学系学際
資源枯渇、環境汚染、人口爆発、食糧不足、安全保障問題など現代的な大テーマに、従来の学問的枠組を超えてアプローチする新分野。「総合的な視点」「多彩なテーマ」がキーワード