テーマ ビジネス ベンチャー
その他のキーワード
どんな分野?
政府主導による大幅な規制緩和策と国際競争の激化のため、政府の保護を受けた企業や財閥など大資本を背景にもつ老舗企業を中心とした従来の日本経済社会の構造が、大きな転換期を迎えつつある。
そんな時代背景を受けて、小さいながらも独自のアイデアで新しいニーズを開拓し、小規模ならではの柔軟な発想と臨機応変な対応力によって熾烈な企業競争に生き残りをはかる「ベンチャー」の起業家たちが、次代を担う新勢力として期待されている。
資金や研究施設の提供、助成金交付、債務保証などのさまざまな形で、政府や投資資本(ベンチャーキャピタル)からの支援も始まっている。資本市場では、社会貢献度・リスクへの対応といった要素が評価の基準となる。
活躍の舞台
ベンチャーについて専門的に研究するには、まず「経済学」「経営学」の基礎を学ぶ必要がある。
経営情報の収集、経営分析に基づいた経営戦略、組織管理と活性化の技法など、企業経営についての幅広い基礎知識を身につけたのち、独立起業家のための専門知識を学ぶ。たとえば、「ベンチャービジネス論」「起業論」「後継者育成論」といった科目により、新規技術の開発や事業創出、資金の集め方などの起業のノウハウ、財務・法務・人事など起業家(経営者)としてのマネジメント能力などを実践的に修得するのが一般的なスタイルだ。多くの人間をまとめて目標に向かわせるリーダーシップを体得するための「心理学」「社会学」の手法も大切だ。
学問へのアプローチ
ベンチャーを大学で専門的に学んだ卒業生が独立をめざすには、起業を希望する業界の会社に勤務しながら情報を集めるのが近道だ。
起業家にはビジネス全般の実務能力はもちろん、柔軟な発想と企画力、自分の才覚と努力で切り開く突破力、そして自己と他者に対する冷静な情勢分析力が、企業内で働くビジネスマンに比べて高いレベルで求められる。
もう一つ重要なのが、現在の業績の分析から将来性も含めた総合的な「業界」研究だ。現在、大学発ベンチャーで注目されているのが「IT」「環境」の分野。今後は福祉・教育・国際貢献など、公共性の高い社会事業をビジネス展開する社会起業(ソーシャルベンチャー)も有望だ。