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どんな分野?
戦後の日本経済は、資源や原材料を輸入し、加工して海外へ輸出する「加工貿易」によって成り立ってきた。このシステムを支える企業として、大きく成長してきたのが国際的なネットワークをもつ「商社」だ。
総合商社と呼ばれる大企業では、金属や繊維などの工業材料だけでなく、食品や医薬品、機械や自動車、エレクトロニクスなど工業製品まで、ありとあらゆる品目を扱っている。
商社のいちばんの業務は、世界の国々から品質や性能にすぐれた商品を買い付けて、国内のメーカーや流通業者相手に売ること。また、国際信用取引を通じて、国際金融の仲立ちをしたり、海外に投資したりする業務もある。つまり、国内外の企業を結びつける商業サービスを提供することが、現代における商社の役割だ。
活躍の舞台
商社への入社には大学の専攻はあまり関係がないが、「経済学」や「商学」「経営学」「文学(外国語・外国文学)」などを学んだ人の採用が多い傾向にある。
商社の仕事に興味のある人は、「商学」「経営学」系の学科で、商業や国際貿易について専門的に学ぶことをお勧めする。商学では、商取引の基本から流通のしくみ、金融・財務、会計学などを、経営学では企業運営のための実践的な技法を学ぶ。
そのほか、海外情報や国際交流、外国語からのアプローチも考えられる。たとえば国際社会のしくみ、国際企業の役割などを研究する「国際関係学」、世界の多様な文化を理解し、国際交流について考える「国際文化学」、特定の地域の言語と社会、文化を総合的に研究する「語学」も関連の深い学問だ。
学問へのアプローチ
海外の企業や政府との商取引を業務とする商社では、国際語である英語の理解力、コミュニケーション能力は不可欠だ。
また最近では、日本への輸入だけでなく世界中のネットワークによって、各国間の物流の仲立ちをしている多国籍商社の業務が大きく広がっている。そのため、文化を異にする相手と話し合い商談をまとめる交渉力、大勢のスタッフの中で実力を発揮する統率力や協調性も大切な資質といえる。
取り扱う商品や取引相手となる国の広がりにつれて、いろいろな人材を求める傾向も強くなっている。国際政治や国際経済に関する知識のほか、情報技術や語学の能力など、商学以外の特定ジャンルについて高度な実践能力をどれか一つ身につけておくことが強みとなるだろう。