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どんな分野?
加入者が費用を自己負担して保険会社と契約する、いわゆる民間保険は国による社会保障制度を補っている。病気や事故による人(生命)の損害を補償する「生命保険」、急な事故や災害で失った「物」の損害を補償する「損害保険」の2種類に大きく分けられるが、近年は生命保険の一形態である「医療保険」が大きくクローズアップされている。
高齢化にともない病気の種類が増えたこと、医療が高度化して費用が上がったことで、自己責任で十分な医療を受けたいというニーズが広がっているといえる。
2009年に登場した新政権は、社会福祉の規模を縮小していた従来の方針から大きく方向転換しつつある。政府と民間とが協力して、国民の健康を守る新しい体制づくりが求められる。
活躍の舞台
保険について専門的に学べるのは、経済学または「商学」「経営学」系の学科だ。経済社会や企業の中における「保険」の位置づけ、保険会社の社会的役割、各種保険収益構造、多様な保険商品の特徴、正しい運営のあり方など、民間保険のシステムについて幅広く学ぶことができる。
また、「家政学」の分野では、家計(生活経済)の視点からの保険研究がある。保険を利用する加入者の立場から、各社の保険制度を比較研究するなど実践的な内容となる。
そのほか、民間保険、国による社会保障制度を含めて、高齢化時代に重要になってくる福祉と保険の問題を総合的に考えるには、社会学系統の「社会福祉学」、医療・保険系統の「保健・衛生学」からのアプローチもある。
学問へのアプローチ
時代の移り変わりの中で保険に対する考え方は変貌を遂げており、すべての保険を国と企業にゆだねる「国民皆保険」の時代から、各自が必要な保険を選んで契約する選択の時代への転換点を迎えている。そして保険会社の役割も、単に保険商品を売ることから総合的な人生設計の提案へと広がっている。
保険会社で働くためには、保険についての基礎知識を身につけたうえで、個々の保険商品の性質やメリットを理解することはもちろん大切だが、社会や経済の動向をしっかりと捉えながら人間の一生の暮らしを見守る責任感と実行力が不可欠。顧客の生活実態を正確に捉え、金銭面から健康面、教育面まで、家族ごとに最適の生活プランを立てて長期間サポートしていく創造的な仕事といえる。