どんな分野？

　日本全国に店舗展開するフランチャイズ企業は、商品・サービスと販売ノウハウをもつ事業本部が加盟店に独占販売権を与える独自の経営方式が特徴。利用客には、地方でも都会と均質なサービスを得られる安心感がある一方、事業者には少ない資金や労力で各地で店舗を増やせるというメリットがある。
　原材料や人材の管理を事業本部で一括して行い、独自の流通網を整備することでコストの大幅削減と効率化を実現しており、特にコンビニエンスストアや飲食業で業績を伸ばしている。最近では、地域の特色を生かしたご当地商品を開発したり、顧客のニーズをコンピュータで分析したりしてよりきめ細かい商品管理を行うなど、新しいビジネス展開も始まっている。

活躍の舞台

　商業の分野でビジネスマンとして活躍する道がある。フランチャイズの業種としては、コンビニエンスストアやディスカウントストアをはじめとする小売業、ファストフード、ファミリーレストランといった外食産業、クリーニングやレンタルなどのサービス業が含まれる。
　フランチャイズ企業での仕事は幅広く、たとえば新規に出店するための用地取得をはじめ、加盟店の経営者を募集する新店舗開拓、そのほか密接な連絡により本部が加盟店との円滑な関係を保ち、共存共栄するための信頼関係を築いていく組織運営の業務などがある。さらに、スタッフを効率的に配置して業績アップにつなげる人材管理、消費者ニーズの分析を背景にした商品開発といった部門も含まれる。

学問へのアプローチ

　社会科学系統の「商学」または「経営学」に進学することで、フランチャイズのビジネスを専門的に研究することができる。
　「商学」では、商業のノウハウを実践的に学べる。フランチャイズと関連が深いのが流通業、特に小売業に関する学問領域だ。市場経済における流通の役割を理解し、流通ビジネスの基本的な流れを把握したうえで、販売システムの構築と管理をはじめ、フランチャイズを含めた小売業のビジネスを総合的に学べる。また「経営学」では、組織や人事などフランチャイズ企業の経営を研究する。関連領域として「経営情報学」というジャンルもある。情報を重視する研究スタイルが特徴で、流通業界の組織や経営状況、販売情報などをコンピュータを駆使して分析する。

このキーワードについて学べる学問分野

経営学

人、モノ、カネ、情報を活用した「企業」活動の管理法と運営法を研究するジャンル。即戦力として実践的な知識と運用能力を養成するために、インターンシップ教育が盛んなのが特徴

商学

モノやサービスなどの「商品」を売り買いするためのしくみやルール（習慣）、それをより多く売るための仕掛けや方法を研究する。物流・会計・金融（手形・証券・保険）が三本柱