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どんな分野?
がんや脳卒中、心臓病など人類の脅威となる重大な病気を克服するには医学研究を進めることに加え、診断や治療についての実践技術(臨床医学)を高度なものにしていくことも重要だ。医学の進歩と同調して、最新の研究成果がすぐに治療技術へ反映されるよう努力が続けられている。
これを担うのが全国各地の病院だ。いま高度な医療の現場では、専門の医師を中心に麻酔医、放射線技師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリ技術者などが連携して患者の健康快復をサポートする「チーム医療」のスタイルが普及しつつある。これらを担当する医師、看護師、救急救命士など、未来の医療を担う有能な人材へのニーズは今後ますます大きくなることは疑いない。
活躍の舞台
病院で医療スタッフとして働くには医療保健系の大学に進み、「医学」「歯学」「薬学」「看護学」「保健衛生学」などを専攻する必要がある。それぞれめざす職業によって修得すべき学問分野や専門技術は異なるが、病気の原因や症状を解明し、病気を治療して人間の健康回復をサポートするための実践学問である点は共通している。基礎課程では、人間の身体の仕組みや働き(生理学)、病気の原因と病態(病理学)、医薬品による治療(薬理学)などの基礎医学分野を学ぶ。
専門領域では専攻ごとに分かれ、たとえば医学では診断法や治療技術などの実践技術、看護学では患者のケアや精神的サポートの理論と方法、「栄養学」「医療技術学」では健康回復のための栄養・リハビリの実践的技法を中心に学ぶ。
学問へのアプローチ
現代の医療技術の開発は日進月歩であり、かつては不治の病だった「がん」も早期発見・治療すれば生き延びられる病気になっている。病院の体制づくりも進んでおり、治療効果の高い新しい抗がん剤や放射線療法を受けられるがん治療の中核として「がん診療連携拠点病院」の指定、さらに心臓病や脳卒中など急を要する患者に速やかに対応できる救急医療の整備も始まっている。
一方で、比較的軽症の患者を担当し、地域の人々の健康を管理する「かかりつけ医」の役割も重要だ。医療の世界は常に変貌しつづけており、高度な先端医療から救急医療、さらに地域医療などあらゆる場面で、高度な専門技術を身につけた人材へのニーズは、日増しに高まっている。
このキーワードについて学べる学問分野
栄養学
人間の健康と食物の関係を科学的に研究。とくに食物の栄養成分の研究をテーマとし、食事の「量」と「質」をコントロール。健康管理の実践手法を工夫する管理栄養士も養成する
保健・衛生・医療技術学
医療・福祉活動を医師と共に支える「保健衛生」「リハビリ」「医療技術」を研究する学問。衛生環境を整えて病気を予防したり、社会復帰を助けたりして国民の健康を守ることがテーマ
医学
人間の身体のしくみや生命活動を、健康との関係で科学的に捉え、人間の病気やケガのメカニズムを解明。その治療法と予防法を総合的に研究する学問。研究の進歩が著しい最先端科学
歯学
歯および口の中の病気の原因を解明し、その診断や治療、歯列矯正や義歯の技術を総合的に研究する分野。「口腔」の健康は、身体や心の健康管理の基礎といわれ、総合医学的要素が拡大中
薬学
病気の治療、健康管理、衛生環境の視点から、医薬品をはじめとする「薬(くすり)」について、総合的に研究する学問分野。家庭用の洗剤や殺虫剤といった生活用薬剤や化学物質も対象
看護学
医療現場や福祉施設、地域社会における看護と介護のプロフェッショナル領域。医師をサポートしつつ、病気の人や高齢者・障害者を、身近にあって心身両面からケアするための実践学問