テーマ 医療 高齢者住宅
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どんな分野?
高齢者住宅とは、文字通り高齢者をターゲットにした賃貸住宅のこと。特別養護老人ホームと同じく居住型の施設だが、食事や排せつ、衣服の着替えなどの介助は不要で、衣食住の基本的な生活を自立して送れる人が入居できる。また、在宅介護の施設との連携により、軽度であれば介護サービスを利用できるケースもある。
食事の提供や安否確認、緊急時の医療支援、親族との連絡など、必要なサービスを受けながら、プライバシーを確保できるのが特徴。居住空間をバリアフリー化し、少人数家族向けにコンパクト化するなど、高齢者に配慮したさまざまな工夫があり、年齢を重ねて介護が必要になった場合にも、暮らし続けられる新しいタイプの住居として好評だ。
活躍の舞台
この分野を大学で学んだ人は、高齢者住宅や介護施設を運営する福祉関連の企業・団体に就職するのが一般的な進路。高齢者向けの住居は、高齢者住宅のほかにも、自治体や非営利団体の運営で介護サービスを提供する「特別養護老人ホーム」や民間企業が運営する「介護付き有料老人ホーム」、高齢者が共同生活を送る「グループホーム」など、さまざまなスタイルがある。
職種としては、利用者する人ニーズや状況に応じたサービスを提案するケアマネージャー、現場で介護サービスを提供する介護福祉士などが挙げられる。そのほか、住宅に関する仕事として、建築業や不動産業という選択肢もある。高齢者向けにバリアフリーの住宅を設計・販売する職種だ。
学問へのアプローチ
この分野に関連する学問分野としては、社会科学系統「社会学」または医療・保健系統「看護学」が挙げられる。「社会学」では、社会福祉の理念や歴史、福祉に関する法律や制度を理解したうえで、医療や福祉の実態を分析し、高齢者の暮らしを支援する福祉サービスを考える。「看護学」では、医学の基本知識と看護の実践技術を身につけ、高齢者の暮らしに合わせた介護や看護のあり方を学べる。
住宅をキーワードにこの分野に取り組むなら、家政系統「住居学」や工学系統「土木建築工学」という選択肢も考えられる。住まいの環境を快適性や利便性といった面から捉え、高齢者に適した住宅の設計、住宅のバリアフリー化の方法について研究する。
このキーワードについて学べる学問分野
土木建築工学
古今東西で蓄積された土木建設の技法を修得し、建築物から町づくり、インフラ、防災まで、私たちが快適に暮らせる生活環境についての総合的なプランニング術を研究する学問分野
社会学
家庭・地域・学校・企業など人間が作っている「組織」のしくみやはたらきを検証し、そこに生起する種々の現象を解析。社会病魔、福祉、環境、メディアといった現代的課題に迫る
住居学
人間が生活を営む場所である「住環境」を、居ごこち(快適性)、美しさや清潔感(デザイン性)、使いやすさ(機能性)などの観点から検証。快適な住空間を実現するために総合研究する
看護学
医療現場や福祉施設、地域社会における看護と介護のプロフェッショナル領域。医師をサポートしつつ、病気の人や高齢者・障害者を、身近にあって心身両面からケアするための実践学問