テーマ 環境・防災 ゼネコン
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どんな分野?
アメリカのサブプライム問題に端を発した世界不況は、日本の建設業界も大きく揺るがしている。日本のゼネコンはこれまで公共事業の受注に浸かり、しかも「談合」に代表される不透明な入札が当たり前のように行われ、それがゼネコンの競争力を弱めてきた。
しかし最近は、より公正で国民の目にもわかりやすい形での競争入札が広がっている。いわゆる“小泉改革”の中で生まれたPFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等に関する法律)により、公共事業にもコストパフォーマンスを求められる時代になった。時代が変化しても、ゼネコンの存在が今後も日本経済のけん引役の一端を担っていくことは間違いない。
活躍の舞台
ゼネコンで建築・建設に関わるのであれば、「建築学」「土木工学」など、営業や管理部門に関わるのであれば「経営学」「経済学」などが主だったところ。だが、環境面からアプローチする場合は「環境学」「環境科学」「都市環境学」などを学びながら、環境に配慮した建築・建設とは何かということを探ることになる。
大学によっては、建設と環境をダイレクトにリンクさせた学科を設置し、自然に配慮した工法や防災に関する研究を行っている。建築の際に出る廃棄物を限りなく減らす「ゼロエミッション」に関する研究も興味深い。また、環境NPOなどに支援を行うCSR活動をゼネコンが行う場合もあり、そこではやはり環境の知識を持った人材が求められる。
学問へのアプローチ
一般のメーカーと同様に、環境に対する意識の高さがゼネコンにも求められるようになってきた。「生産・流通・消費・廃棄」という一方通行のフローから、「消費・回収・再生・生産」というサイクルへ。クラッシュ&ビルド(破壊と生産)の繰り返しをよしとしてきたゼネコン各社にも社会的責任を自覚し、生産活動における環境への負担軽減やリサイクルを視野に入れた商品や建設方法が求められている。
スーパーで環境に配慮した商品を選ぼうとする消費者たちが、自らが住んだりショッピングをしたりするマンションやビルにも環境への配慮の有無をチェックするのは当然の流れであり、環境に対する意識の高さが今後のゼネコン経営のキーポイントにもなっている。