テーマ 環境・防災 リサイクル
その他のキーワード
どんな分野?
増加し続けている世界人口の中では、限られた資源の有効利用がマスト。そこで注目されているのが、一度使った資源や物を再利用するリサイクルである。高度成長時代の日本では、一部の資源を除いてリサイクルは行われていなかった。コストをかけて古い物を再生するより、新しい物を作るほうが経済成長に寄与していたからだ。
しかし、低成長・安定成長時代になると状況に変化が訪れる。2000年に「循環型社会形成促進基本法」が成立すると、国全体で積極的にリサイクルに取り組み、循環型の社会をめざすことが宣言された。ゴミの分別はすでに日本の社会に根付いているが、その再利用方法などについて、たゆみない研究が続けられている。
活躍の舞台
リサイクル可能な素材の開発に挑戦したり、合理的なリサイクルの方法を考案するなど、科学技術の視点からリサイクルを捉えたいなら、「応用化学」「材料工学」「農学」などの分野を学ぶのがよいだろう。一方、社会科学的な視点からリサイクルを捉えた場合、国や自治体が主役になることが多いので、「法学」「政治学」「行政学」などを学ぶとよい。
現在、日本を含めた多くの国々では国家の主導によってリサイクルが進められている。リサイクルにはコストや手間がかかるため、企業や国民の力をあてにすると社会に定着しづらいのだ。官の力で事業を運営するとき、問題になるのは法の整備や制度づくりになってくる。
学問へのアプローチ
リサイクルに関する制度づくりや政策の立案、法の整備などに携わりたいのであれば、公的機関に就職する道がまずある。国の機関に就職すればリサイクルに関する制度づくりや、政策の立案、法の整備などが仕事になるだろうし、地方自治体では地域住民により密着した形で環境問題に取り組むことになる。資源回収業務の一部を地方自治体が担当していることもあり、職員になれば関連業務に携わるチャンスがあるだろう。
民間企業でリサイクルに関わる場合は、たとえば研究職に就き、リサイクルに適した製品の開発を行うこともできる。企業の場合は、リサイクルを実施しながらそれがいかに自社の利益に還元され得るかということも考えなくてはならない。