テーマ 環境・防災 太陽光発電
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どんな分野?
光を受けて電力を発生する太陽電池パネルを使い、太陽の光エネルギーを直接電力に変換するしくみ。太陽をエネルギー源とするため枯渇することはなく、地球上の資源も消費しない。さらに地球温暖化の原因となる二酸化炭素を出さないという長所もあるので、原子力発電所の事故や原子炉の老朽化などによってエネルギーの転換が求められる今、有力な代替エネルギーとして期待されている。
しかし、現時点ではまだエネルギー変換効率が悪いために導入のコストが高く、政府では発電を行う事業者への補助金支給、一般家庭で余った電気の買い取りなどの政策により普及を進めている。さらに大規模施設の設置、送電網の整備なども今後の大きな課題となっている。
活躍の舞台
太陽光発電の装置、太陽電池を企画・製造するメーカー、電力会社などが主な活躍の場だ。仕事の内容としては、発電装置や施設を建設したり、発電・送電システムを運営する、あるいは家庭向けに太陽電池を販売することが中心となる。
太陽光発電の技術には発展途上の部分も多く、各種の基礎技術の開発に挑んでいる業種も就職先として考えられる。たとえば新しい素材や部品を開発する素材メーカー、電池の部材を開発する半導体メーカー、発電装置に用いる電気回路やソフトウェアを設計する電気メーカーなどがある。
そのほか、機械メーカーや土木建設会社、工場や工業設備をつくるプラント会社など、異業種からこの分野に新規に参入する企業もこれから有望だろう。
学問へのアプローチ
「電気」を扱うさまざまな研究を行う工学系統の「電気通信工学」の分野が代表的な進路となる。たとえば半導体技術を中心に電気や磁気を利用した部品、機械の開発を研究する「電子工学」という領域では、電気をつくる太陽電池の設計、電気をためる蓄電装置(太陽電池)などについて学べる。
一方、発電・送電・変電など、電気エネルギーに関する専門技術を身につけるなら、「電気通信工学」の中でも「電力工学」や「エネルギー工学」という領域を中心に学ぶという選択肢がある。また、エネルギーの利用については「機械工学」の分野でも関連する科目を学べる。そのほか、太陽光発電で用いられる効率の高い新素材を研究するなら「応用化学」「材料工学」に進む道もある。
このキーワードについて学べる学問分野
電気通信工学
電気や磁気の性質を応用し、生活や社会を快適にする、電気のエネルギー利用技術や情報通信などのエレクトロニクス技術を生み出す学問分野。機械としての表現されることも重要課題
応用化学
化学の研究成果として得られた、物質の“構造”や“はたらき”を土台に、既存物質の新しい機能の抽出や新しい物質の合成など、実際に人の役に立つ技術を生み出すための工学ジャンル
機械工学
ものづくりを軸としてきた工学の核となる<機械>を研究する分野。その原理と創意工夫を土台に新しい「機械」を設計・開発する。技術やパーツを組み立てる「機械システム」が中心に
材料工学
化学や物理学の手法を工学技術に応用し、優れた機能をもつ物質(新素材)を開発する分野。一見、地味なジャンルに思われがちだが、技術は材料の歴史といわれるほど重要な研究分野