テーマ 環境・防災 環境コンサルタント
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どんな分野?
宅地開発や工場建設など大規模開発の事業計画に対して、環境保全という視点から調査・分析を行う専門家。地元の自治体や実際に開発を行う企業の依頼を受けて現場の土地に出向き、土壌や水質、大気、騒音に関する高度な計測・分析などの調査を実施し、開発工事や工場の稼働が環境に与える影響を予測する。影響が大きいと判断した場合には、開発の規模や工事の方法の変更などの対策を提案することもある。
さらに基本的な環境政策づくりにもタッチし、企業や行政、市民という立場を超えて、中立的・科学的な見地から環境保護対策を評価する。政府や自治体への助言や指導を行うことで、自然と共存できる都市づくりに貢献するという重要な役割を担っている。
活躍の舞台
この分野を学んだ人の進路としては、環境コンサルティング会社、環境アセスメントを業務とする企業などが代表的だ。
いずれも自治体や企業からの依頼に基づき、環境分析の専門家として環境に与える影響に関する調査・分析を行って報告する業務が中心となる。対象の事業は、工場や道路、空港、港湾など大規模な開発工事に加えて、都市の公園や庭園の建設など活躍の場は幅広い。また、環境保護の技術や知識を生かすことで、自然公園や山地・森林の環境再生といった事業を行う職種への道も開ける。
そのほか、電子機械や計測器具の製造メーカーで、環境分析の機器・装置の設計、ソフトウェアの開発、製品の販売にかかわる職種も一つの選択肢となる。
学問へのアプローチ
環境評価の分析技術を扱うのは理学系統「化学」の分野。またはその手法を生かした工学系統の「応用化学」も関連が深い。「化学」では、固体・液体・気体の性質を調べるための実験器具や薬品の扱い方、計測データの集計・分析技術などを学ぶ「分析化学」という領域(科目)がある。
また「応用化学」では、「環境化学」という研究領域(科目)もある。
廃棄物や排水、工場排気、排熱等、人間社会から生み出された物質やエネルギーの測定・分析を実際に行い、こうした化学物質が生物や地球に与える影響について考える。さらに「土木建築工学」あるいは「工学系学際」の分野も一つの選択肢だ。環境に配慮した開発・都市計画について学べる環境工学という領域がある。
このキーワードについて学べる学問分野
工学系学際
新しい工学の視点から、人類が抱える重要課題や将来に大きな発展が期待される先端技術に挑むフロンティア領域。「資源工学」「地球環境工学」「先端工学」はその代表的な学際ジャンル
応用化学
化学の研究成果として得られた、物質の“構造”や“はたらき”を土台に、既存物質の新しい機能の抽出や新しい物質の合成など、実際に人の役に立つ技術を生み出すための工学ジャンル
土木建築工学
古今東西で蓄積された土木建設の技法を修得し、建築物から町づくり、インフラ、防災まで、私たちが快適に暮らせる生活環境についての総合的なプランニング術を研究する学問分野
化学
自然界のあらゆる物質の特性と反応のしくみを取り出し、物質の構造と性質を解明。それらを違う分量で化合したり、別の組合せにして、これまでになかった新しい「物質」を作り出す
材料工学
化学や物理学の手法を工学技術に応用し、優れた機能をもつ物質(新素材)を開発する分野。一見、地味なジャンルに思われがちだが、技術は材料の歴史といわれるほど重要な研究分野