テーマ 環境・防災 環境教育
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どんな分野?
自然と共存できる持続可能な社会にしていくため、次世代を担う子どもへの環境教育が課題となっている。現在、小学校では生活科と総合的な学習の時間で、中学校・高等学校では主に理科の教科で環境学習が取り上げられている。里山に出かけての自然観察や星空の観測、合宿で農作業の手伝い、里山への植林といった体験型の学習が中心だ。
環境省では、高度な知識と経験を持つ環境問題の専門家を「環境カウンセラー」として認定し、学校や地域住民、企業向けに派遣している。身近な里山や山林の再生、そこで暮らす動植物の保護、ゴミの減量やリサイクルの推進など、さまざまな分野で環境教育に携わる専門的な人材の育成が求められる。
活躍の舞台
この分野で大学を卒業した人の代表的な進路は、小中学校や高等学校で児童・生徒に環境の大切さを伝える教員の仕事。なお、教員養成系以外の学部に進学する場合、学校教員になるためには、大学で教職課程を履修しておくことが必須となる。また、地方自治体の環境課に勤務し、公園や緑地の造成・管理、里山の保護を担当するという道もある。
環境保全に関する就職先では、環境コンサルタントや環境アセスメントの企業が挙げられる。いずれも、行政からの依頼を受けて地域の環境を調査したり、企業との契約に基づいて環境保全計画を立てたりする業務を行う。民間企業ではほかに、資源再生を業務とするリサイクル企業も選択肢となるだろう。
学問へのアプローチ
環境教育を学べる学問では、理学系統「生物学」が代表格。あらゆる植物や動物、微生物を研究対象とする学問で、たくさんの生物同士がつながり合いながら形作っている豊かな自然環境と生物多様性を理解し、その豊かさを守るための技術を実践的に学ぶ。
教育系統「教員養成」は、未来を担う子どもたちを指導する学校教員を養成する学問。大学によっては「総合科学」でも環境教育を専門に学べるコースを設置している。環境分析や環境評価に関する専門技術を学べる工学系統「応用化学」も関連が深い。そのほか、農学系統「森林科学」「水産学」も選択肢になる。「森林科学」では山林の利用と環境保護について、「水産学」では海洋や河川の環境保護について学べる。
このキーワードについて学べる学問分野
応用化学
化学の研究成果として得られた、物質の“構造”や“はたらき”を土台に、既存物質の新しい機能の抽出や新しい物質の合成など、実際に人の役に立つ技術を生み出すための工学ジャンル
総合科学
教育が持つ“総合性”に着目し、教員以外の人材育成のために登場した新領域。人文・社会・自然科学を統合して、現代の社会的テーマの解決にチャレンジ。高い教養と学識の修得が目標
教員養成
教育への情熱や意欲をもとに、自らの教養・人格を向上させ、教える能力や対話のコミュニケーション能力などの専門スキルを研究・体得。教育のプロフェッショナルをめざす専門課程
森林科学
木材など森林資源の利用と森林環境の保護を研究する分野。森林の管理のみならず、森林の景観づくり、水資源の管理と有効利用、土砂崩れや山火事など山林災害の防止対策等がテーマ
水産学
海洋や河川、湖沼に暮らすあらゆる動植物を対象に、水産物の漁獲や増殖、加工、流通の方法、さらには海洋環境の保護、水産物の資源としての利用方法について実践的に研究する分野
生物学
生物の構造や営みに共通で見られる《法則性・普遍性》と、それがさまざまに分化して生みだす《多様性》を抽出。その神秘に満ちた<生命活動>を理論的に説明できる体系を打ち立てる