テーマ 環境・防災 循環型社会
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どんな分野?
環境への負荷を減らすため、自然界から採取する石油や石炭といった資源やエネルギーを効率的に利用したり、廃棄されるものを最小限に抑えたりする社会のあり方。近年は世界的に人口が増加して経済発展も進み、資源を消費するスピードが上がっています。資源には限りがあり、失ったものを回復するのは困難です。また、大量消費によって廃棄物が増えれば環境汚染につながる危険性があります。
そこでサイクルしやすい製品や再生可能な新エネルギーの開発、資源回収のシステムの確立をはじめ、社会全体での努力が必要です。日本には循環型社会形成推進基本法やリサイクル法によって廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用などの技術や対策が定められており、国としても積極的に循環型社会の形成に取り組んでいます。
活躍の舞台
工業原料の生産やリサイクルに関わる業種に活躍の道が開けています。たとえば鉄やアルミ、レアメタルを扱う金属工業、プラスチックや木材、ガラス、紙を扱う工業原材料メーカーが代表的。廃棄物を材料として資源化するプロセスを開発・管理するエンジニア、リサイクルに適した素材の開発を行う研究職などがあります。
化石燃料に変わる環境に優しいエネルギーの開発という視点では、太陽光発電、燃料電池、風力発電をはじめとする新電力会社も選択肢になるでしょう。大手の自動車メーカーや電機メーカーをはじめ環境保全に積極的な企業では、循環型社会の実現に向けた専門部署を設置しているところもあり、この分野の専門知識をもつ人材の活躍の場は広がっています。
学問へのアプローチ
循環型社会に興味がある人は、環境関連の学部・学科をチェックしてみましょう。工学系統の「応用化学」「材料工学」は、化学をさまざまな技術開発や工業生産に応用する学問で、リサイクルしやすい新素材、環境への負荷の少ない生産技術、自然環境を守るための技術の研究などを行っています。「工学系学際」の分野には、資源の開発や地球環境保全をテーマとした「資源工学」「地球環境工学」といった研究領域もあります。
社会制度や政策からの視点としては、「社会学」の応用分野である「環境学」という学際的な領域があります。たとえばCO2の排出量を減らすための政策、エネルギー効率のよいまちづくりといったテーマを扱います。
このキーワードについて学べる学問分野
工学系学際
新しい工学の視点から、人類が抱える重要課題や将来に大きな発展が期待される先端技術に挑むフロンティア領域。「資源工学」「地球環境工学」「先端工学」はその代表的な学際ジャンル
応用化学
化学の研究成果として得られた、物質の“構造”や“はたらき”を土台に、既存物質の新しい機能の抽出や新しい物質の合成など、実際に人の役に立つ技術を生み出すための工学ジャンル
社会学
家庭・地域・学校・企業など人間が作っている「組織」のしくみやはたらきを検証し、そこに生起する種々の現象を解析。社会病魔、福祉、環境、メディアといった現代的課題に迫る
材料工学
化学や物理学の手法を工学技術に応用し、優れた機能をもつ物質(新素材)を開発する分野。一見、地味なジャンルに思われがちだが、技術は材料の歴史といわれるほど重要な研究分野