テーマ スポーツ科学・健康 生涯スポーツ
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どんな分野?
スポーツをする目的は十人十色。健康の維持やレクリエーションを目的に、記録や勝負にこだわらずスポーツを楽しむ人も増えている。
政府や自治体も、自分の年齢や体力に応じて生涯にわたってスポーツを続ける「生涯スポーツ」を奨励しており、最近では海外から誰でも楽しめるユニークな新競技も次々に紹介されている。
競技の種類は多様だが、敷居が低く手軽に始められて面白さや楽しさがあり、適度な運動になるスポーツが適している。たとえば健康と基礎的な体力づくりのためのジョギングやエクササイズ、ダンスをはじめ、目標の達成感を感じられる水泳やマラソンなどの個人競技、ゲーム的な面白さのあるゲートボール、ボウリングなどの球技が人気となっている。
活躍の舞台
この分野の知識と技術を学ぶには、教育系統の「体育学」「総合科学」あるいは総合・学際系統の「人間科学」などに進学するのが一般的だ。大学では自らの体力を増進するとともに、スポーツ競技と技術を磨くことが第一歩となる。また、競技スポーツのトレーニングと戦術といった実戦面の知識、人間の身体のしくみと機能、運動能力の高め方、ケガをしたときの処置やリハビリといった「医学」の知識も重要な学習項目だ。
もう一つ重要なのが、指導者あるいは教育者として「教え方」の能力を身につけることだ。生涯スポーツでは、社会人、児童や高齢者、障害者など幅広い対象を相手にするため「心理学」「児童学」といったジャンルを学んでおくことも大事だろう。
学問へのアプローチ
この分野を専攻した人は学校の体育教員やスポーツコーチ、地域のスポーツ指導員、民間のスポーツセンターのインストラクターといった仕事で活躍が期待される。スポーツをする人たちの動機は「娯楽」「体力づくり」「地域交流」など多様であり、指導員にも年齢や目的に応じた教え方を実践する能力が求められる。
生涯スポーツは誰もがいつでもどこでも、気軽に参加できることが重要であり、身体への負担や運動量を減せるように用具やルールを改良したスポーツも登場している。また、生涯スポーツの振興には自治体や地域社会のサポートも不可欠。地域の体育館やクラブなどの体育施設の充実、スポーツ指導員の養成といった体制づくりが求められる。
このキーワードについて学べる学問分野
体育学
運動能力の増強やスポーツ競技の技術向上のために、「運動」を総合的に研究する分野。各種のスポーツで運動理論と実技力を培い、健康で頑健な身体づくりのノウハウや技法を探求する
総合科学
教育が持つ“総合性”に着目し、教員以外の人材育成のために登場した新領域。人文・社会・自然科学を統合して、現代の社会的テーマの解決にチャレンジ。高い教養と学識の修得が目標
教育学
教育の本質を捉え、学校や職場、地域社会において人間の可能性を伸ばすシステムと技法を研究する学問分野。老若男女すべての「学ぶ人」に理想的な教育の環境を提供することが大目標
人間科学
人間の心と身体のメカニズムをトータルに捉え、多面的な側面や要素をを備えた人間そのものに深く切り込む学問。人間だけが獲得した、動物とは一線を画した能力や要素の秘密を探る