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どんな分野?
陸上トラック走行に特化した運動靴がヒットしたり、世界記録を塗り替える高速水着が登場したりするなど、本来は選手の活躍を陰で支えるスポーツメーカーが、にわかに脚光を浴びている。
各メーカーがしのぎを削るのが新製品の開発競争。画期的な記録を出すスポーツ用品は、綿密な計測データに基づいて試作品を開発し、選手やコーチの協力を得て改良をかさねる、という地道な作業の末にようやく実現する。
また、各社とも有名選手と製品使用の専属契約を結ぶなど、膨大な費用を掛けて自社の製品をアピールしている。その契約選手が記録を出すことで一般消費者からの人気を呼び、商品が爆発的に売れることで高額な開発費用をまかなう、というサイクルの中で幾多のヒット商品が生まれているのだ。
活躍の舞台
運動器具やスポーツ用品に興味がある人は、大学で「体育学」または「スポーツ科学」を専攻するのが最適のコース。スポーツ科学は「人間科学」の一ジャンルであり、競技の実技や戦略、トレーニング法など、スポーツのあらゆる要素を科学的な手法で研究するのが特徴だ。
そのほか、人体の骨格構造と筋力、呼吸や循環機能といった医学の立場からスポーツ研究する「スポーツ医学」、人間の身体にフィットする器具の形状と構造、合理的な動き方などを考える「人間工学」などのアプローチもある。
また「体育学」の場合には、スポーツ競技ごとの特性と戦術、実践技術、身体づくりのためのトレーニング法がメインとなるが、専門とするスポーツ競技を科学的に追究することも可能だ。
学問へのアプローチ
スポーツに関する科学的な理論、測定法や実験などの研究手法を身につけたスペシャリストは、スポーツ用品や運動器具のメーカーに就職し、開発に携わることができる。
スポーツ用品といっても陸上競技、格闘技、球技、水泳など競技ジャンルごとに用具も特性もさまざまだ。しかし、開発に必要な工学的知識、データ収集や分析の技法など、基本的な研究手法には共通項が多い。メーカーで主要な戦力として活躍するには、得意な競技にとどまらず幅広いスポーツに興味をもち、基本的な要素を理解しておくことも大切となるだろう。
さらに、スポーツ用具の使い方や整備法に熟練することで、スポーツ教室やトレーニングジムでのインストラクターとして勤務する道もある。