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どんな分野?
高度成長以降、日本の経済を牽引してきた自動車産業。欧米製に比べて燃費がよく小回りの効く日本車は安全性と信頼性の面でも世界中の人気を呼び、日本の経済的な地位を高めることに貢献した。
製造業の花形ともいわれるが、近年は企業同士の合併が相次ぎ、また韓国をはじめとする後発の他国メーカーの追い上げで世界の勢力地図は大きく変わりつつある。とはいえ、長引く不況で日本の製造業の需要が落ち込むなかで、自動車メーカーは今も健在ぶりを示している。
ハイブリッドや電気自動車などエコ技術の開発のほか、ICT技術を駆使したブレーキや新しい安全装置の研究など、新しい技術の開発にも熱心な日本の自動車メーカーには世界中から注目が集まっている。
活躍の舞台
自動車メーカーで働くには、「機械工学」系の大学に進学して「自動車工学」を専攻するのがベストだ。この学問では、自動車の根幹をなすエンジンや変速機などの動力部をはじめ、タイヤやホイール、ステアリング(操舵)、ブレーキ(制動)、さらにフレームや車体など、自動車のメカを総合的に学ぶ。そのほか、エンジンやブレーキの電子制御を扱う「電気通信工学」、車体をはじめ、自動車部品において使用する工業材料を開発する「材料工学」の分野も関連が深い。
なお、自動車のエンジンや燃料電池といった要素技術の研究をはじめ、次世代自動車の研究開発などクリエイティブな職種に就くには、「機械工学」系の大学院へ進学することが事実上必須となっている。
学問へのアプローチ
大学で自動車工学を専攻した卒業生には、自動車メーカーの「生産・開発」などの部門で技術系の職種に就くという進路がある。世界的なシェア競争が激化している今、日本の自動車メーカーは、ハイブリッドや電気自動車の開発に力点を移してしのぎを削っており、燃料電池や自動制御装置などの分野で、世界をリードする最先端の技術を開発することが期待されている。
自動車関連では、技術系のほかに営業や販売を担当する職種もある。故障が少なく丈夫で長持ちする日本車は評価が高く、アジアをはじめ多くの国々で流通している。そのため、海外に生産や販売の拠点をもつ企業も多く、ビジネスレベルの英語力やコミュニケーション力を備えておくことが強味になる。