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どんな分野?
工業デザインとは、自動車から家電製品、文房具まで多様な工業製品に美しいデザインを施し、製品の価値を高めること。インダストリアルデザイン、工業意匠ともいう。かつては工業製品に時代を反映したデザインを加え、表面的なスタイルを変えるというのが大きな目的だった。しかし、近年はデザインに優れているだけでなく、機能性と安全面を重視することも求められている。
企業間の技術格差が小さくなってきた最近では、デザインの重要性がさらに高まっている。また、企業における環境意識、コスト意識の高まりから、製品の開発・設計段階から工業デザインのノウハウが求められ、システム全体をデザインするという役目も担っている。
活躍の舞台
工業製品を企画・製造する企業のデザイン部門に所属し、製品の新たな開発やモデルチェンジなどに対応する。こうした人材を、一般的にはインハウス・デザイナーと呼ぶ。工業デザインを専門に請け負うデザイン事務所で働く道もある。ただし一口に工業製品といっても、重工業の航空機・自動車から、冷蔵庫や食器といった身近な製品、さらに医療機器までと、その範囲は広大。各業種の仕事内容や特色をしっかり把握したうえで、デザイン製作・研究活動を行うことが求められる。
そのほか、プロジェクト単位で活躍するフリーランスのデザイナーもいる。ヒット製品を多く手がけるデザイナーになると、その人が携わること自体がブランド価値の一つとして認められ、活躍範囲も大きく広がる。
学問へのアプローチ
関連学問として代表的なのは、工学系統「工芸学・工業デザイン」。モノづくりという観点から、デザインを造形する技法、工業製品に関する科学的な知識を身につける。この分野では、人体の構造や動作のメカニズムを学ぶ「人間工学」、人間の知覚や思考のしくみを学ぶ「認知工学」など、現代社会で表現方法を考えるために重要な科目もある。また「機械工学」では、機械設計という視点からデザイン性を含めた優れた製品を生み出すための最新技術を学ぶことができる。
芸術系統「工芸・デザイン」も工業デザインについて学べる主要な学問だ。美術の応用領域として発展した分野で、美しさのみならず、人間や社会に役立つモノの色や形について研究する。
このキーワードについて学べる学問分野
工芸・デザイン
製品の形や映像・絵・文字などを使った、人間の視覚に訴える表現芸術。美術の応用領域として、社会ニーズにそった「美」を創りだす分野。「機能性」「快適性」を希求するのが特質
機械工学
ものづくりを軸としてきた工学の核となる<機械>を研究する分野。その原理と創意工夫を土台に新しい「機械」を設計・開発する。技術やパーツを組み立てる「機械システム」が中心に
工芸学・工業デザイン
製品や印刷物、家や店舗、公園や道路などを対象に、人間の感性や感覚に訴える「美しさ」を創造するデザイン表現を追究する分野。機能性やコストと「美」の調和が求められるのが特質
化学
自然界のあらゆる物質の特性と反応のしくみを取り出し、物質の構造と性質を解明。それらを違う分量で化合したり、別の組合せにして、これまでになかった新しい「物質」を作り出す