テーマ 心理 こころ
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どんな分野?
現代の日本人の多くが、人生をよりよくするためには身体の健康と共に「こころ」を健康に保つことが大事だと考えている。こころが発生するしくみは完全に解明されたわけではないが、心理学の研究から心は身体と同じように病んだり、傷ついたりするということがわかっている。
現代の社会は人間関係が複雑化したうえに、通勤・睡眠・食事など、生活時間が厳しく制約をうけている。そのため、忙しさや煩わしさからストレスを感じたり、外からはわかりにくい「こころの傷」、さらに深く内面化した「こころの闇」など、病的な状態で過ごす人が増えている。こうした「こころの病」を少しでも少なくするための、こころの治療の役割が大きくなっている。
活躍の舞台
こころは周りの環境、特に社会における人間関係の影響を受けて、その「健康状態」が大きく変わる。また、身体の発達に従ってこころも発達し、子供のこころから大人のこころへと成長していく。
この分野では、本人のこころの状態を対話や心理テストなどの方法で観察し、健康状態や病の原因を探る「心理学」のほか、こころに影響を与えるさまざま背景や要因について、科学的な分析・検証を行う研究領域もとても重要である。
たとえば、組織内での人間関係のあり方を研究する「社会学」、成長の過程を実証的に研究する「教育学」、さらに人間のこころと身体の関わりを一体的に捉える「人間科学」という学問領域もある。
学問へのアプローチ
「心理学」を専攻した卒業生の進路には、カウンセラーや心理療法士などこころの専門家への道がある。家庭・職場・学校など人間が集まる場所では必ずこころとこころの触れあい、ぶつかりあいがあり、こころに悩みを抱える人もいる。高度な専門知識とこころを癒す技法をもつカウンセラーのニーズは、学校でも企業でも高まっている。
こころの治療では、対話や説得、簡単な作業によって原因を知るとともに、その原因を処理し、長期的に自分で気持ちをコントロールするための方法を自分で学ぶようにし向けていく。医学と同じく「病」や「傷」(原因)を取り除くだけでは解決にならず、こころの健康を自分で保つ方法を体得させることが大切なのだ。