テーマ 心理 保育心理
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どんな分野?
発達の過程にある子どもの心は、判断力や理解力が弱く、感情をコントロールする力も未成熟なため傷つきやすい。特に、幼児虐待や育児放棄を受けた子どもには、成長した後も心に大きな傷跡が残るといわれており、大人になってからも自立できない人、不安な心を抱えて暮らす人が少なくない。
子育ての環境も多様化しており、家族や学校など環境の変化に対応できず、他の子をいじめる、落ち着きがない、集団行動ができない、生活習慣が乱れている、といった子どもの問題行動も増えている。こうした問題は身内だけで解決できないことが多く、保育の現場では子どもの心を優しくケアし、子育て家族をサポートする専門家の役割が期待されている。
活躍の舞台
大学では「心理学」系、または家政系統の「児童学」系の学部に進むのが一般的だ。
心理学には、人間の成長に伴う精神的な発達の過程を分析する発達心理学、中でも、人間形成にとって最初の重要な時期である幼児の心理を専門的に扱う「幼児心理学」という研究ジャンルがある。
また、児童学では身体の成長に伴って心理の発達していく過程、言葉やしぐさの段階的発達を理解したうえで、保育所や幼稚園などの保育施設で子どもを健やかに育むための技術を実践的に学べる。
さらに、大学院に進んで心理療法やカウンセリングなど、人間の心の問題を解決するための実践技法を修得することにより、「臨床心理士」「学校心理士」といった高度な専門職への道も開ける。
学問へのアプローチ
保育心理を専攻した人の進路としては、保育所や幼稚園などの幼児施設、あるいは児童相談所などの児童福祉の現場などが代表的だ。いずれの職場でも、1人ひとりの子どもを取り巻く状況を正確に理解し、家族関係や友だちづきあいなど多角的な視点から問題点を把握して解決に導くことが大切だ。
さらに、特定の学校に勤務するか、複数の学校に出向いて働く心理専門職として「スクールカウンセラー」という職種もある。これは、児童・生徒の心の悩みに応えたり、問題のある子どもにカウンセリングを行う職種だ。ただし、この仕事には「臨床心理士」「学校心理士」の有資格者であることが1つの要件となっており、指定大学院に進学して取得することが望ましい。
このキーワードについて学べる学問分野
哲学・心理学
人類の根源的な疑問=「人間とは何物か」「何が生きる意味や価値か」という“こころの問題”に思索や論理を通じて迫るのが哲学、科学的なしくみとして解決しようとするのが心理学
教育学
教育の本質を捉え、学校や職場、地域社会において人間の可能性を伸ばすシステムと技法を研究する学問分野。老若男女すべての「学ぶ人」に理想的な教育の環境を提供することが大目標
教員養成
教育への情熱や意欲をもとに、自らの教養・人格を向上させ、教える能力や対話のコミュニケーション能力などの専門スキルを研究・体得。教育のプロフェッショナルをめざす専門課程
児童学
家庭における「育児」に着目し、子どもの成長過程、親子・きょうだいの関係などを総合的に研究する。子どもの個性や感性をどう育むか、安心できる子育て環境の整備などがテーマ