テーマ 心理 心理検査
その他のキーワード
どんな分野?
人間の知能や発達のレベル、人格などを判定するための科学的な検査方法。精神医療やカウンセリングの場面で行われ、診断や治療、アドバイスのための参考データに用いられる。また、検査を受けた人が自分の心を客観的に理解できるという効果もある。こどもの発達の過程で心が正常に成長しているかを調べる知能検査や、個人の性格の傾向と環境により形作られた人格を知るための性格検査などがある。
客観的なデータを収集し分析の対象とするためには、検査条件を一定に保つことが重要。また前提として、検査する人と検査を受ける人の間には強い信頼関係が必要となるため、心理学の専門知識とともに、人間への深い洞察力と観察眼が求められる。
活躍の舞台
大学で心理検査の技法を学んだ人の進路としては、まず医療・福祉関連の仕事が挙げられる。病院などの医療機関で、患者の心理状態を把握して適切な治療やアドバイスを行うカウンセラー、病院や福祉施設で悩みをもつ人の心に寄り添う看護師、電話や窓口で悩みの相談を受ける保健所の職員といった職種が挙げられる。
教育関連ではこどもや保護者、教職員の心理面のサポートを行い、いじめや不登校といった問題に取り組むスクールカウンセラー、裁判所や警察には事件・事故に遭った人や事件を起こした人の心理検査を行う仕事がある。いずれの仕事においても、大学または大学院で心理学を専攻し、「臨床心理士」の資格を取得しておくことで活躍の場が広がる。
学問へのアプローチ
この分野を大学で学べる学問は、人文科学系統「心理学」が代表格。人間の心理のメカニズムを科学的な手法で捉える学問で、心理検査をはじめ、人の性格や心の傾向を測定、分析する手法について、基礎から実践まで幅広く研究する。
対面による質問やアンケートを用いた方法、簡単な作業をしてもらい様子を観察する方法、簡単な文章や図形・計算問題で知能レベルを測定するためのテストなど、さまざまな種類の検査を実践的に学べる。さらに、心理検査に必要な統計学の基礎知識を理解したうえで、検査で収集したデータの処理方法、分析や比較、判定の方法も習得する。
精神医療の現場で、悩みを抱える人の治療にあたるなら「医学」という道もある。