テーマ 心理 心理トレーニング
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どんな分野?
心理トレーニングとは、肉体を鍛えるトレーニングと同じように、自分の心(精神面)を強くするために行う自己鍛錬のこと。心を鍛えることは、会社や家庭などあらゆる場面で困難な局面を切り抜けられる精神力が身につくだけでなく、自己の技術や能力を最大限に引き出して仕事のパフォーマンスを高めることにもつながる、と言われている。
たとえば物事への集中力を維持する、感情をコントロールする、ポジティブな思考を身につける、成功したときのイメージを心に刻む、といった手法がある。心理トレーニングの効果を高めるには、客観的な視点からアドバイスを受け、徐々にステップアップすることが大切だ。精神科医師や心理カウンセラーなど、心理の専門職の役割が重要となる。
活躍の舞台
この分野を専攻し、高度な専門知識とカウンセリング技能を身につけることで、心理トレーニングの専門家として幅広い仕事の可能性がある。一般企業では、人事や社員教育の部門が適している。社員からストレスや悩みの相談を受ける心理トレーナーあるいはカウンセラー、社員が備えている能力や潜在力を見極めて適切に指導し、仕事上のスキルアップを促すキャリアアドバイザーといった専門的な職種もある。
スポーツ分野にも、心理トレーニングの能力を生かせる職種がある。競技チームのコーチングスタッフに加わり、監督や医療者、栄養士などと連携してアスリートを支える仕事だ。さらに、学校に赴いて児童・生徒の悩みの相談を受けるスクールカウンセラーという道もある。
学問へのアプローチ
心理トレーニングについて大学で学びたい人は、人文科学系統「心理学」が代表的な進路となる。人間の心理を観察や実験などの科学的な手法によって解明する学問だ。不安やストレスで気持ちが弱くなる心理のメカニズムをしっかり理解したうえで、仕事の悩みを抱えるビジネスマンや、成績をアップさせたいスポーツ選手など、人や場面に応じた心理トレーニングの技法を実践的に学べる。
コミュニケーション能力や人間関係の形成について学ぶ社会科学系統「社会学」、人間の能力開発について研究する教育系統「教育学」も関連が深い。さらに、教育系統「体育学」や総合・学際系統「人間科学」では、スポーツの技能を高めるためのスポーツ心理学を学べる。
このキーワードについて学べる学問分野
体育学
運動能力の増強やスポーツ競技の技術向上のために、「運動」を総合的に研究する分野。各種のスポーツで運動理論と実技力を培い、健康で頑健な身体づくりのノウハウや技法を探求する
哲学・心理学
人類の根源的な疑問=「人間とは何物か」「何が生きる意味や価値か」という“こころの問題”に思索や論理を通じて迫るのが哲学、科学的なしくみとして解決しようとするのが心理学
教育学
教育の本質を捉え、学校や職場、地域社会において人間の可能性を伸ばすシステムと技法を研究する学問分野。老若男女すべての「学ぶ人」に理想的な教育の環境を提供することが大目標
人間科学
人間の心と身体のメカニズムをトータルに捉え、多面的な側面や要素をを備えた人間そのものに深く切り込む学問。人間だけが獲得した、動物とは一線を画した能力や要素の秘密を探る
社会学
家庭・地域・学校・企業など人間が作っている「組織」のしくみやはたらきを検証し、そこに生起する種々の現象を解析。社会病魔、福祉、環境、メディアといった現代的課題に迫る