テーマ 心理 ソーシャルサポート
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どんな分野?
ソーシャルサポート(社会的支援)とは、家族や友人、職場、地域社会などの人間関係を通じて行われる支援を指す言葉。さまざまな困難に直面して心の悩みや苦しみを抱えた人のほかアルコール依存、うつ病など、1人の力では治療が難しい患者の心のケアにも行われる。
周囲の人たちが苦しんでいる人と話し合いながら糸口を探り、問題解決に取り組む。サポートする側が一方的に与えるのではなく、寄り添うことで前向きな解決に導いていく双方向的なアプローチが特徴。人と人とが支え合いながらストレスに対処していくプロセスとして、その効果が注目されている。独身者や1人暮らしの高齢者など、社会的に孤立しやすい人々を、地域コミュニティの中で支えていく試みも始まっている。
活躍の舞台
この分野を学んだ人は、社会福祉に関わる仕事に就くのが代表的な進路だ。介護福祉の管理者として、本人の状態や希望に応じた介護サービスのプランを作成するケアマネージャー(介護支援専門員)、福祉施設や利用者の自宅でサービスを提供する介護福祉士、ホームヘルパーなど、専門性に応じた活躍の舞台がある。地域コミュニティや職場を対象に、ふれあいサロンなどのスタイルでソーシャルサポートを実践する団体(社会福祉法人やNPO)の仕事も選択肢となる。
社会福祉に関する法律や制度に精通し、国家資格「社会福祉士」を取得することで社会福祉部門の公務員として働く道もある。地域に暮らす人たちが安心して暮らせるように、公共の視点から福祉の現場を監督・指導する仕事だ。
学問へのアプローチ
この分野の中心となるのが、家庭や職場、地域コミュニティなどさまざまな組織を研究対象とする社会科学系統「社会学」。組織の中で生きる人間同士の関係に着目して、組織の実態や課題を検証する。また、弱者を支えるソーシャルサポートの社会的な役割を考え、福祉現場におけるサポートの技法を研究する。具体的には、組織の中で人と人とが理解と共感を広げながら、個人のストレスや人間関係の不和といった問題を解決していく手法を実践的に学ぶ。
人文科学系統「心理学」も関連が深い。複雑な人間の心のしくみを科学的に解明する学問で、さまざまな悩みの原因を実験や対話によって探り、ストレスを減らすためのカウンセリングやソーシャルサポートの実践法を学べる。