テーマ 心理 ハラスメント
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どんな分野?
立場の強い者が弱い者に向かって、言葉や態度によっていじめや嫌がらせ行為を行うこと。異性に対して行われる性的嫌がらせ(セクハラ)や、職場の上司から部下に対して、業務上の必要性を超えて強い口調で叱責したり、地位や権力を利用して不利益な扱いをしたりするパワーハラスメント(パワハラ)などが大きな社会問題となっています。
本人は意識せずになされた発言や行動が相手を傷つけ、人間不信や体調の悪化など、業務の遂行に支障が出ることもあります。そのため、企業倫理やコンプライアンスの視点でも、ハラスメント対策を重視する企業が増えています。意見の対立は粘り強い対話で解決する、小さなトラブルを発見したら仲裁に乗り出すなど、早めの対策が求められます。
活躍の舞台
この分野を専攻した人は、企業・団体の保健室や医務室などに勤務し、働く人の仕事の上でのストレスや悩みの相談に乗り、ハラスメントなどのトラブルを解決するカウンセラーが代表的な仕事となります。最近は、人事部門や教育部門などに、ハラスメント対策の担当職員を設置する企業も増えており、専門的な知識をもつ人材の活躍の場が広がっています。
そのほか、学校や幼稚園などの教育現場も選択肢の1つとなります。教員や事務職員として、子どもや保護者からストレスや悩みの相談を受けたり、校内で起きる児童・生徒のいじめの問題に取り組んだりします。さらに、学校に常勤や派遣の形で勤務する「スクールカウンセラー」という専門職もあります。
学問へのアプローチ
このテーマを研究するには、「心理学」と「社会学」という2つのアプローチがあります。ハラスメントを人間の心理のメカニズムの側面から研究するのが「心理学」です。ハラスメントに至る人間の内面の動きを科学的に明らかにし、人を傷つけないよう自分の心をコントロールするにはどうすればよいかを考えます。また、ハラスメントを受けた人に対するカウンセリングの手法も学べます。ハラスメントの問題を、組織や集団内における人間関係の側面から考えるのが、「社会学」です。
ほかに関連が深いのが「人間科学」。人間の心と身体の関係を総合的に捉える学問で、ハラスメントが心に与える変化、さらに身体の不調との関係を学びます。