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国税専門官になるには?試験内容や難易度、大学での学部学科の選び方から仕事内容と年収も解説

2023.04.11

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私たちが暮らす社会のさまざまな仕組みは、みんなで納める税金によって支えられています。学校教育や医療なども、税金の使い道の一つです。そんな税金が正しく納められているかどうかは、一体誰がチェックしているのでしょう?この記事でご紹介する「国税専門官」は、納税に不正がないか調べて、税金の仕組みを支えている大切な仕事です。仕事内容や、国税専門官を目指す場合の進路についてもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

国税専門官とは?

国税専門官とはどんな仕事なのでしょうか?仕事内容ややりがい、想定年収についてお伝えします。

国税専門官の仕事内容

国税専門官は国家公務員で、税金の仕組みを支える専門家です。主に「国税調査官」「国税徴収官」「国税査察官」という職種に分かれており、それぞれ仕事内容に違いがあります!どの職種になるのかは採用後に決められますが、場合によっては人事異動などによってその後に職種が変わることもあります。

国税調査官は、税金を納める個人や企業を調査して、税金を正しく納めるサポートを行う職種です。国税徴収官は、期限を過ぎても税金が納められない場合に、納税を促したり、指導や処分を行ったりします。国税査察官には、不正をはたらいて税金を納めない悪質なケースに対して、裁判官からの許可状により強制的に捜査したり、財産を差し押さえたりと、厳しく対処する役割があります。

国税専門官の仕事のやりがい

査察のため企業を訪れた国税専門官

国税専門官の仕事には、脱税した人を厳しく追及する場面もあり、問題を解決するには多くの苦労があるでしょう。税金はみんなが正しく納めることで成り立っています。こうして不正を取り締まる国税専門官がいなければ、そんな税金の仕組みが根本から崩れてしまうことにもなりかねません。私たちが暮らす社会の仕組みを守っている、非常に重要で責任ある仕事なのです!

国税専門官の想定年収

国税専門官の平均年収は、約709万円が目安です。国税専門官を含む税務職員の毎年の給与は、人事院のWebサイトで公表されている「国家公務員給与等実態調査」から調べられます。その際は「税務職俸給表」の項目をチェックしてみましょう!令和4年のデータによると、平均給与月額は429,738円でした。こちらを12カ月分で計算して、さらに4.5カ月分のボーナスを含めると、年収は約709万円と想定されます。

【出典】人事院「令和4年国家公務員給与等実態調査の結果」
https://www.jinji.go.jp/kankoku/kokkou/04kokkou.html

国税専門官の将来性

国税専門官は、今後ますます求められる職種と考えられます。

少子高齢化が進む日本では、福祉に必要な費用などで、増税は避けられない課題となっています。納める税金が増えると、払えない人や脱税を試みる人もいるかもしれません。そんなとき、国税専門官は人々の相談にのったり、不正を正したりする役割を果たします。

また、経済のグローバル化に伴い、お金や税金のルールも大きく変わるかもしれません。税務の国際化が進む中で、みんなが納得できる税制を築くために、国税専門官の存在がますます必要になってくるでしょう。

国税専門官になる方法

国税専門官になるには人事院が実施する「国税専門官採用試験」に合格し、採用される必要があります。受験できるのは、試験実施時に以下のいずれかを満たしている人です。

  • 21歳以上30歳未満の人
  • 21歳未満で、大学新卒者および新卒予定者である人
  • 人事院が同等の資格があると認める人

参考:試験概要|国税庁 (nta.go.jp)

試験から採用までの流れは、以下のとおりです。

国税専門官採用試験の日程

国税専門官の試験内容

税法の内容を確認する国税専門官の女性

国税専門官の試験内容について、以下の項目別に解説します。

  • 試験科目
  • 試験日程
  • 難易度と倍率

試験科目

国税専門官の試験には、一次試験と二次試験があります。

一次試験の筆記試験は、基礎能力試験と専門試験に分けられます。基礎能力試験は、公務員に求められる基本的な知能や教養を問われます。

一方、専門試験では国税専門官の仕事と関連する専門知識を問われるため、対策が必須です!たとえば、選択式試験の必須科目は「民法・商法」と「会計学」で、選択科目では法律・経済・経営・政治・社会などの分野から出題されます。試験に合格するためにも、これらの分野の基礎をしっかりと固めておきたいですね。

国税専門官の試験には国税専門A(法文系)と国税専門B(理工・デジタル系)があり、試験科目はそれぞれ以下のとおりです。

 必須科目選択科目
国税専門A民法・商法、会計学(簿記を含む)憲法・行政法、経済学、財政学、経営学、政治学・社会学・社会事情、英語、商業英語、憲法、民法、経済学、会計学、社会学
国税専門B基礎数学、民法・商法、会計学情報数学・情報工学、統計学、物理、化学、経済学、英語、科学技術に関連する領域

参考:試験概要|国税庁 (nta.go.jp)

上記の一次試験に合格すれば、二次試験に進みます。二次試験は、人柄・対人的能力などについての個別面接と身体検査(一般内科系検査)です。

試験日程

2024年度の試験日程は、以下のとおりです。

試験申し込み (インターネット受付)2/22午前9時~3/25〔受信有効〕
一次試験5/26
合格者発表日6/18
二次試験6/24~7/5のうち指定する日時
最終合格者発表日8/13
採用内定時期10/1

参考:試験概要|国税庁 (nta.go.jp)

倍率と難易度

2023年度の国税専門官試験の倍率は、以下のとおりでした。

 国税専門官A国税専門官B
受験者数9,555263
合格者数3,127147
倍率約3倍約1.7倍

参考:国税専門官採用試験実施状況|人事院

人事院によると、2023年度の国家公務員試験の倍率は7.1倍でした。倍率だけで比較すると、国税専門官試験の難易度はほかの試験に比べて高くはないと言えます。しかし、国税専門官試験に合格するには、多くの専門的な知識が求められます。着実に力をつけて合格するには、大学で勉強する道が無難でしょう。

国税専門官を目指せる学部

法学部に通う大学生の女性

国税専門官を目指すなら、以下の学部がおすすめです。

  • 法学部
  • 経済学部
  • 政治経済学部
  • 商学部

国税専門官採用試験でも出題される、法律や会計の分野を体系的に学ぶことができます。

国税専門官は税金の専門家なので、法律や会計の専門知識は仕事上でも必須。これらの分野の勉強は試験に合格するために必要なだけでなく、国税専門官として働く上でも正確な知識が欠かせません。大学で高度な専門知識や広い教養を身に付けておけば、業務にも役立てられるでしょう!


国税専門官に求められるスキル

国税専門官を目指すなら、こんなスキルが必要!仕事で求められる知識や能力をチェックしてみましょう。

法律や会計の正確な知識

国税専門官は公的な立場から正しい納税を促すために行動します。仕事では、税金に関する法律の正確な知識が必須。法律に基づいて公正な調査や指導を行うには、まず法律や会計の知識をしっかりと身に付けなければなりません。

強い正義感

国税専門官は不正を取り締まる仕事です。税金が正しく納められていない場合、国税調査官は徹底的に調査を行い、国税徴収官は納税がなされるように督促を行います。国税査察官の仕事では、脱税が疑われる人物を粘り強く調査することもあります。税金の不正を許さない、強い正義感がなくては務まらない職種です。

指導力

国税専門官が会社や個人宅を訪問した際には、納税に関する相談を受ける機会が多くあります。こうした指導の場面では、税金の専門知識を分かりやすく伝えるとともに、納税の大切さを理解してもらわなければなりません。正しい納税を促すために、人を導く力が求められます。

国税専門官が働く場所

国税専門官が働く税務署

国税専門官は、主に「税務署」「国税局」「国税庁」などの公的機関で働いています。税務署は税金を管理する機関で、全国各地に設置されています。地域で暮らす人たちからの相談を受け付ける、もっとも身近な機関といえるでしょう!国税局は、税務署の上位にある機関で、全国11カ所に設置されています。主に、納税額が大きいケースを取り扱います。国税庁は、国税局のさらに上位にあり、日本の税金制度を管理する機関です。

国税専門官のキャリアプラン

国税専門官として採用された後は、仕事の経験を積んで、より上位の機関で働く道があります。たとえば、税務署で役職を経て国税局で働き、これまでの仕事の経験を活かして国税局で役職を経て、最終的にはより大きな規模の仕事を取り扱う国税庁で活躍する人も!このように上位の機関へ抜擢されるには、難しい仕事をこなせる能力があり、多くの実績や評価を積み重ねなければなりません。厳しい道のりですが、税金の専門家として社会に大きく貢献したい人は、挑戦してみては?また、国税専門官として働き続けると、年数に応じて税理士試験の科目が免除されます。仕事の経験を活かして国家資格を取得して、新たに税理士として働き始める道もあるのです。


国税専門官になりたいあなたは「JOB-BIKI」で進路検索!

国税専門官の仕事についてお伝えしました。国税専門官になるには、まず国税専門官採用試験に合格しなければなりません。試験の出題範囲では「民法・商法」と「会計学」が必須科目で、選択科目では国税専門官の仕事に関する専門知識を問われます。合格するためにも、しっかりと対策しておきたいですね。大学へ進学するなら、国税専門官の仕事と関連する法学部・経済学部・経営学部・政治経済学部・商学部での学びが役立つでしょう。進路を考え始めたら、まずは「JOB-BIKI」で大学の情報を調べてみてはいかがでしょうか?就職先検索で「国税庁」と検索すると、国税庁で働くさまざまな職種の先輩たちの出身大学のデータが見られるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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