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金融関係の仕事のやりがいとは?就職先の種類、年収などを解説

2023.05.08

カテゴリー:
金融関係の仕事に携わるビジネスパーソン

誰もが必ず扱うお金。このお金を含む金融関係の仕事に、興味がある高校生の皆さんもいるのではないでしょうか。ただし、お金に関する仕事をしている会社や、詳しい仕事内容はわからない人も多いはず。
この記事では、金融関係の会社の種類や、仕事の特徴、やりがいのほか、年収などについてご紹介します。

金融関係の仕事とは?

金融関係の仕事とは、銀行や証券会社などで、個人や法人からの預金や金融商品などの販売によってお金を集め、貸し出しや投資などで運用することをいいます。
また、保険会社は、利用者から保険料を集めて、利用者にケガや病気があったときに保険金を支払います。その一方で、保険料を運用して、利益を得ているのです。このように、金融関係の仕事とは、「お金を集めて(または貸して)利益を増やす」ことが仕事といえます。

金融関係の会社に入社すると、個人や法人、団体に金融商品を販売したり、融資やローンでお金を貸したりする営業職のほか、総務や経理などの管理業務に就くこともあります。文系だけでなく、理系出身者も活躍する業界です。

金融関係の仕事の種類

商談を行う金融関係のビジネスパーソン

 
金融関係の仕事には、大きく分けて総合職と一般職の2つがあります。ここでは、それぞれの特徴について確認していきましょう。

総合職

大学を卒業して総合職として入社すると、基本的には幹部候補生とみなされ、さまざまな部署に配属されてキャリアアップしていきます。その中で、転勤や昇進を経験することも。ただし、地域限定型として採用されれば転勤はありません。
総合職で入社すると多くの人が、会社の売上を左右する重要なポジションのひとつである営業職に就きます。営業職には、「個人向け」と「法人向け」の2種類があり、それぞれ仕事内容は異なります。
個人向けの営業は、一般ユーザーを対象に、保険やローン・クレジットカードなどを利用してもらったりすることがミッションです。一方、法人向けの営業は企業や保険代理店を相手に、融資や資金繰りなど経営に関するコンサルティングを行ったり、不動産投資や海外進出をサポートしたりします。いずれの営業も、高いコミュニケーション能力と根気強さが求められるでしょう。

金融関係の仕事は、個人・法人を問わず、大きなお金が動きます。適切な支払いや返済が行われているかをチェックする債権管理の仕事や、リスクや法律面から取引をチェックする仕事、さらに市場調査やシステム構築の仕事など、総合職はさまざまな部署で仕事をする可能性があるのです。

一般職

金融関係の仕事における一般職は、主に来店したお客の窓口や電話対応をする仕事を指しています。
預金口座の開設手続きや、ローンの申込みなどのサポートを行います。見積書や契約書などの作成といった事務作業も行うため、迅速かつ正確に作業を行うスキルが必要です。勤務先のエリアが限られていることや、基本的には管理職への昇進がないことも特徴です。

金融関係の仕事の特徴とやりがい

人の生活や会社の経営に、お金は欠かせません。金融業界で働くと、ローンや保険、リースなどで、多くの人の暮らしや会社の経営を支えることができます。
大きなお金を扱うことにプレッシャーはありますが、その分、社会に大きな貢献ができるでしょう。

また、金融関係の仕事は、お客の人生や会社の経営に寄り添うことも特徴です。一般ユーザーであれば、住宅ローンによってマイホームを持てるようになるなど、夢のお手伝いができることは大きな魅力。お客から感謝され、やりがいにつながります。
法人においては、大企業の大規模海外進出プロジェクトをサポートしたり、法人投資家に対して世界的な市場動向を説明したり、M&A(企業の合併・買収)を推進したりするなど、非常に大きな仕事に携わることが可能なのです。

金融関係の仕事の年収

大手の銀行、証券会社、保険会社、投資会社などでは、平均年収が約800万~1,000万円以上となる会社がほとんどです。
一方、地方銀行では約400万~600万円である場合も多く、会社の種類によって平均年収は大きく異なります。

金融関係の仕事に必要な資格や受験すべき試験

金融業界に就職するために取得が必要になる資格は、基本的にありません。しかし、金融業界は、学生に人気がある業界のひとつであるため、下記のような資格を取得するのがオススメです。

<金融関係の仕事の就職に効果的な資格>
・銀行業務検定試験
・外務員資格試験
・宅地建物取引士
・ファイナンシャルプランナー
・日商簿記検定

金融関係の仕事に興味がある高校生におすすめの大学や学部・学科

金融に関する勉強をする大学生

 
金融関係の仕事を目指すなら、どのような学部を目指すといいのでしょうか。ここでは学部ごとに、金融業界に求められるスキルや傾向についてご紹介します。

経済学・経営学の学部・学科

金融業界には、経済学部や商学部、経営学部など、社会科学系学部の出身者が多い傾向があります。金融関係の仕事では会社や個人のお金を扱うことから、大学で経済・経営などの知識を身につけられると、入社後にも活かせるでしょう。

法学系の学部・学科

意外に思うかもしれませんが、法学部も金融業界に有利といわれています。金融の仕事では、会社の取引や訴訟に関する法的な知識が必要になることがあるのです。そのため、法学部で法律の知識を身につけられると有利です。

国際系の学部・学科

近年、グローバル化が進み、金融業界でも海外拠点が増えたり、海外との取引が増えたりしています 。また、外資系の会社では、日常的に英語でコミュニケーションをとることも珍しくありません。そのため、国際学部の学生の採用が増えています。国際学部でさまざまな国・地域の文化や歴史、国際問題を学び、外国語を習得していると面接時にアピールできるはずです。

数学・物理学系の学部

金融業界では数字のデータを扱うため、数字や統計、情報処理に長けた理系出身者を採用することもあります。最近では、銀行や証券会社、保険会社などで「Fintech(フィンテック)」というIT技術を組み合わせたサービスの 開発を推進する傾向があります。このような流れから、金融関係の会社では理数系の人材を積極的に採用しているのです。

金融関係の会社の種類

メガバンクのビル

 
金融関係の会社には、高校生の皆さんもよく知っている会社から、あまりなじみのない会社まで、数多くあります。ここでは、8種類のジャンルごとに、主な金融関係の会社をご紹介します。

銀行

お客から預かったお金を安全に管理することと、会社や個人にお金を貸し出す(融資する)ことが銀行の主な役割です。お客からの依頼により、公共料金や税金などの振替を行う「為替業務」も行っています。 また、貸し出した金額に利子をつけることや、送金や口座からの引き出しなどの手数料で利益を得ているのです。
銀行は、営業エリアや規模、仕事内容などによって下記の5つに分類されます。

■銀行の分類と特徴

分類特徴
メガバンク全国を対象にし、規模が最も大きい銀行。外貨両替、外国送金なども行う。
地方銀行各都道府県に本店があり、地域に根差した銀行。地元での創業やベンチャーに手厚い。
ネット銀行実店舗を持たず、主にインターネット上で取引を行う。
信用金庫地域に密着し、地域社会の発展を目的にして融資などを行う非営利法人。
信託銀行個人や法人が持つ財産(現金、不動産、証券など)を「信託」という形で管理・運用を行う。

分類ごとに1行を例として挙げてみましょう。

・株式会社三井住友銀行(メガバンク)
株式会社三井住友銀行は、三菱UFJ銀行やみずほ銀行と並ぶ日本を代表するメガバンクです。すでに銀行口座を持っている人や、駅前のATMやテレビCMで見たことがある人は多いのでは?

・株式会社横浜銀行(地方銀行)
株式会社横浜銀行は横浜市に本店を置き、神奈川県と東京都を地盤とする 地方銀行です。2020年に100周年を迎え、地域経済の発展を支援しています。

・株式会社セブン銀行(ネット銀行)
株式会社セブン銀行は、セブン&アイ・ホールディングスの傘下にあるネット銀行です。セブン-イレブン店内にあるATMを利用できるなど利便性が高く、利用者の人気を集めています。

・京都中央信用金庫(信用金庫)
京都中央信用金庫は、京都に本社を置き、京都府、滋賀県、大阪府、奈良県を基盤にする信用金庫です。信用金庫・信用組合の預金量ランキングで1位を獲得しています。

・三菱UFJ信託銀行株式会社(信託銀行)
三菱UFJ信託銀行株式会社は、メガバンクである株式会社三菱UFJ銀行のグループ会社で、国内52ヵ所、海外5ヵ所 (2021年6月末時点)の拠点を持つ信託銀行です。

「銀行で働きたい」という人は、下記のコラムをぜひ読んでみてください。
銀行員になるには?仕事内容や求められる資質・能力などを紹介

証券会社

証券会社は、個人や法人が株式や投資信託を購入するときに仲介する会社です。主に株式を売買する際の手数料によって利益を得ています。
いくつかの証券会社をピックアップし、特徴を挙げてみました。

・野村證券 株式会社
野村證券株式会社は、国内の独立系証券会社の中で非常に強い営業力を持ち、国内売上1位の実績を誇っています。営業職一人ひとりの収益性が非常に高いことが特徴です。

・大和証券 株式会社
大和証券株式会社は、創業120年を超える大手証券会社です。富裕層や学校法人、医療法人などを対象とする「リテール部門」での収益拡大に力を入れています。

・株式会社SBI証券
実店舗を持たないインターネット証券の株式会社SBI証券。外国株のラインナップが豊富であること、取引手数料が低いなどのメリットがあり、人気を集めています。

保険会社

保険の仕組みは、病気やケガ、交通事故、火災などの際に、保険加入者から集めたお金から保険金を支払うというもの。保険会社は、保険加入者から支払われた保険料を運用し、利益を得るというビジネスモデルで成り立っています。
保険会社には、病気やケガなどを扱う「生命保険会社」と物品の損害などを扱う「損害保険会社」があります。各社の特徴をご紹介します。

・日本生命 保険相互会社
テレビCMでもおなじみの日本生命保険相互会社。日本で3番目に古い生命保険会社です。保険料収入は業界トップクラスをキープし続けています。「生命保険業界のガリバー」の異名を持つ会社です。

・ライフネット生命保険 株式会社
ライフネット生命保険株式会社は、2008年に創業したオンライン生命保険の会社です。保険外交員ではなくインターネットでの契約をメインにしているため、保険料が安いことが特徴で、人気を集めています。

・東京海上日動火災保険株式会社
国内の損害保険売上1位の東京海上ホールディングス傘下・東京海上日動火災保険株式会社。世界の国や地域に広く展開しており、利益構造は日本と海外でほぼ5:5の割合となっています。

・損害保険ジャパン株式会社
損害保険ジャパン株式会社は、SOMPOホールディングスのグループ会社で、雇用の安定性と給与の高さから、就活生にも人気の高い会社です。 損害保険事業をはじめ、生命保険事業や介護サービス事業など、幅広く事業を展開しています。

クレジットカード会社

クレジットカードは現金に代わって支払い手続きができ、支払金額に応じてポイントを貯められることが特徴です。クレジットカード会社は、利用者からの年会費や分割・リボ払いの手数料のほか、加盟店からの手数料で利益を得ています。主に「カードの発行業務」「カード加盟店の開拓・管理」「カード会員管理」 といったクレジットカード業務を担当し、基本的にローンなどの取り扱いはありません。
クレジットカード会社について、下記にていくつかピックアップしました。

・三菱UFJニコス 株式会社
三菱UFJフィナンシャル・グループの傘下で、クレジットカード発行事業などを行う三菱UFJニコス株式会社。利用者のさまざまな決済ニーズに応えるため、コンビニ決済やペイジー決済、バーチャル口座決済など、豊富なEC決済メニューを取りそろえています。

・楽天カード 株式会社
「楽天カードマン」のCMでおなじみの会社名が、楽天カード株式会社です。楽天関連のサービスで利用するとお得な楽天カードを発行。若い人が中心となって活躍している会社で、社内公用語は英語です。

・イオンクレジットサービス株式会社
イオングループのイオンクレジットサービス株式会社は、イオンカードを発行している会社です。国内ヨップクラスの会員数を持つ安定性が魅力ですが「自ら発想、自ら挑戦」という社風も根づいています。

信販会社

信販会社は、あまり聞き慣れないかもしれませんね。信販会社とは、クレジットカードの取り扱いに加えて、カードローンやショッピングローンなどの信用取引も扱っている会社のことです。銀行などからお金を借りた人が返済できない場合、お金を立て替えてくれる「保証業務」も行っています。
信販会社には、下記のような会社があります。

・株式会社ジャックス
株式会社ジャックスでは、各種ローンや家賃保証を扱っています。また、インバウンド向けに、中国の決済サービスであるAlipay(アリペイ)の導入などもしています。

・株式会社オリエントコーポレーション
株式会社オリエントコーポレーションは、「オリコ」の通称で親しまれている会社です。オートローン(自動車ローン)を中心に、保証業務などを行っています。

・株式会社クレディセゾン
「永久不滅ポイント」のクレジットカードを発行している株式会社クレディセゾン。カードローンのほか、目的別ローンを扱うだけでなく、リース事業も展開しています。

政府系金融機関

政府系金融機関とは、政府によって設立された銀行のことです。国内の経済発展や中小企業の活動支援が目的で、経営のためのお金に困っている中小企業への融資や、大学進学のお金を個人に貸す国の教育ローンの取り扱いなどをしています。政府系金融機関には、下記の5つがあります。

・日本政策金融公庫
「国民生活事業」「農林水産事業」「中小企業事業」をメインにする日本政策金融公庫。小規模事業者や中小企業、農林水産業者に融資をするだけでなく、国の教育ローンなども取り扱っています。

・日本政策投資銀行
日本政策投資銀行は、新規事業や不動産開発などに対して、中長期的な融資を行うことが主な役割です。また、金融・経済の混乱や大規模災害などの危機が発生したときに必要な資金を供給します。

・国際協力銀行
国際協力銀行は、国内産業の国際力強化や、海外の資源の買い付け・開発などに資金援助を行う銀行です。また、外国政府と日本の大企業によるプロジェクトに、資金のサポートを行うこともあります。

・商工組合中央金庫
商工組合中央金庫は、主に一般的な銀行と同じ業務を行っています。台風や地震などの自然災害で経営に影響が出てしまった中小企業に、お金を貸す制度があることが特徴です。

・沖縄振興開発金融公庫
沖縄の経済や産業を発展させるために、個人や中小企業に低金利で長期間貸し付けます。サービスは沖縄に限定されることが特徴です。

不動産金融

不動産金融とは、資産価値のある土地や建物を担保にお金を貸すことで収益を得るビジネスです。また、不動産の資産価値を証券化して投資家に販売し、その資金で不動産の運用もしています。動かす金額が大きいので、その分やりがいも大きなものになるでしょう。代表的な会社をご紹介します。

・モルガン・スタンレー・キャピタル 株式会社
モルガン・スタンレー・キャピタル株式会社は、アメリカ・ニューヨークに拠点を置くモルガン・スタンレー・ホールディングスの傘下の会社。仕事はハードですが、その分多くの経験と高い報酬を得られる外資系企業のひとつです。

・ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン 有限会社
ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン有限会社は、外資系のゴールドマン・サックスグループにおける不動産投資会社です。M&A(企業の合併・買収)や資金調達、投資物件の管理業務などを行っています。

・丸紅アセットマネジメント 株式会社
丸紅アセットマネジメント株式会社は、大手総合商社である丸紅株式会社の完全子会社。不動産投資ファンドや不動産運用のアドバイスを行っています。

リース会社

リース会社は、購入した器具や設備を貸し出し、そのリース料(利用料)によって利益を得るビジネスです。リースはレンタルよりも貸出期間が長く、一般的には半年~10年です。
店舗やコンピューターなどを購入すると、初期費用として大きな金額が必要になりますよね。リースを利用すると、月ごと、もしくは年ごとに一律のリース料を支払うことになり、初期費用の負担を減らせます。リース会社には、具体的に下記のような会社があります。

・オリックス 株式会社
オリックス株式会社は、「リース」という方法を日本に持ち込んだ会社です。プロ野球球団の名前を知っている人も多いかもしれませんね。現在はリース事業のほか、融資や生命保険、不動産関連、環境エネルギーなど、事業は多岐にわたっています。

・三井住友ファイナンス&リース 株式会社
三井住友ファイナンス&リース株式会社は、三井住友フィナンシャルグループと総合商社の住友商事株式会社が持つ、ネットワークとお客基盤を活用したリース事業が強みです。

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