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学習塾講師(塾の先生)になるには?仕事内容や向いている人・目指せる大学について解説

2023.08.23

カテゴリー:
少人数の小学生に教える塾講師

塾講師とは?

塾講師は学習塾で生徒の指導を行うのが仕事で、学校の教員とは異なり民間の塾で働く職業です。塾講師の仕事内容は、生徒の学力に合わせた学習指導、学力向上のサポートが主な内容となります。生徒の苦手な科目の克服をサポートしたり、テストの成績アップを目指したりするのも、塾講師の仕事です。

塾は大きく分けて補習塾と進学塾があります。補習塾の塾講師は、生徒が学校の授業をしっかり理解できているか確認して、理解不足を補う指導を行うことが求められます。一方、進学塾の塾講師は志望校合格を目指す、一定以上の意欲を持つ生徒を相手にします。中学・高校・大学受験を志望する生徒に対し、合格の可能性が上げる学習指導をするのが、進学塾の塾講師の仕事となります。

このように、塾講師と一口に言っても塾の種類によって仕事内容は違ってきます。しかし在学中で学習意欲がある生徒を指導する点は共通です。
塾によっては、いわゆる不登校の生徒に指導を行うこともあります。
実質的に休学していたり、学校の授業を受けていなかったりするため、学習の遅れが生じている生徒を指導することになります。遅れを気にして焦りを覚えていることがあるので、塾講師の仕事にはメンタル面のサポートが加わります。

塾には他にも、集団指導と個別指導があります。
集団指導の塾講師は、複数の様々な性格や学力の生徒を相手に指導します。個別指導の塾講師は個別に、生徒ごとの学力や学習状況に合わせた指導を行います。
従来の塾講師は、実教室で生徒と対面で向き合い直接的に指導を行うのが一般的でした。近年はオンライン学習塾の普及により、オンラインで生徒に指導する塾講師の仕事も一般的になっています。非対面の画面越しに指導をするので、対面とは異なる接し方の工夫が必要です。
様々な塾の塾講師に共通するのは、カリキュラムや授業の計画、問題作りなどの仕事です。生徒の成績の確認や抱えている悩みの分析、問題を解決する方法の提示なども仕事のうちです。また生徒から学習や進学の相談を受けたり、保護者と連絡を取り合ったりして、生徒をサポートすることもあります。

生徒や保護者の対応以外にも、学習塾の設営や清掃などが仕事内容に含まれます。学習指導に関することだけが仕事ではありませんが、指導が仕事の中心になるのは確かです。指導とそれ以外のカリキュラムの作成や生徒の相談対応などの仕事の割合は、働く塾によって異なります。

大学受験を目的として集団指導をするものを予備校と呼びます。予備校講師については下記の記事を参考にしてくださいね。
予備校講師になるには?仕事内容や求められる適性ついて解説

塾講師の仕事の流れ

オンライン授業をする塾講師

塾講師の一日の仕事の流れは、その日に指導する生徒と指導内容の確認に始まり、授業の準備が基本となります。前回までの授業の内容を確認して、当日分の授業内容の再確認、指導の流れの確認を行います。準備しておいたカリキュラム、問題を用いて授業をします。
実教室で授業をする塾講師は、生徒の登塾前に教室を清掃したり、机や椅子を整えたりして生徒を待ちます。登塾した生徒に挨拶をしていきますが、必要に応じて個別に生徒に声がけをします。生徒の体調の確認も塾講師の仕事なので、生徒が具合を悪そうにしていれば、確認して対応をする必要があります。

生徒が教室に集まり、授業の前に生徒と学習内容を確認してから授業の開始です。授業後は、生徒から学習内容の質問に応じます。授業についてわからなかった部分、理解が及ばなかった部分を質問に答えて補います。生徒の数が多く限られた時間で対応せざるを得ない集団塾よりも、個別指導塾の方が生徒の質問に答えることを重視して時間を割く傾向です。事前に生徒から学習や進学の相談があった場合は、特定の生徒のために時間を設けて対応します。これは授業の後に設けられることが多く、授業が終わってから個別に対応する形です。直近の授業に関する相談よりも、カリキュラムそのものの内容や学習の進め方、進学に必要な学力の不安などに応える時間となります。

生徒を送り出して塾の営業時間が終わっても、塾講師の仕事はまだあります。教室の後片付けもそうですが、生徒の学習に対する姿勢やテストの結果の確認、それに応じた今後の対応の検討などです。次の授業に使う問題を作らなければいけないので、塾講師の仕事は授業以外にも多いです。個人経営の塾の場合は、塾講師が経営も行うことになるので、経営に関する業務も仕事に加わります。生徒の月謝の集金は不可欠ですし、見学希望があればその対応も必要です。

問い合わせ対応も塾講師の仕事になるので、電話やメールで対応することになります。完全に個人で経営している塾講師は、営業時間外の仕事がかなり増えます。メール対応や電話対応もそうですし、資料請求などの対応もあります。

塾講師の年収とやりがい

塾講師の年収は、全国平均で約390万円となっています。単純に割ると月収は約33万円になる計算です。全業種の平均年収からすると決して高くありませんが、平均はあくまでも平均です。都内では平均年収が400万円を超える地域も珍しくありません。大手の中には更に年収が良い企業もあるので、目指そうと思えば上を目指すことができます。

塾講師のやりがい

生徒と向き合い学習をサポートして成績を伸ばすことにあります。テストの結果のように、目に見える形で生徒の成長を確認できるのがやりがいだといえます。苦手科目の克服をサポートして乗り越えてくれたり、生徒の不安が自信に変わったりするのも、塾講師がやりがいを感じる瞬間でしょう。

個別指導塾では特に、生徒との信頼関係の構築が重要です。生徒からの信頼の獲得もまた、塾講師になって良かったと思えることです。信頼関係が揺るぎないものになれば、保護者からも信頼されます。こうした信頼関係の構築がやりがいの1つで、塾講師としての自信に繋がります。

進学塾の塾講師は結果が求められますが、指導した生徒が志望校に合格すると大きなやりがいを感じるでしょう。塾講師の評価が上がりますし、塾の実績にもなりますよ。得意分野を持つ塾講師は、それを活かして生徒を導くことができます。得意なことで生徒を成長させられるので、自信が更に自信を高めることになります。経験が浅く試行錯誤をしている塾講師も、試行錯誤が結果に結びつくときにやりがいが感じられます。生徒の成績向上などが結果になってあらわれると、どう指導するのが良いのか考えて試行錯誤してきた苦労が報われます。

塾講師はその仕事の性質上、一定の能力があることが必要ですが、自分の学習が得意でも他人に指導するのが得意とは限りません。生徒に合った学習のやり方を見つけて、自分の経験が活かせる指導ができると、パズルのピースがはまった感覚でやりがいが実感できます。学習意欲に乏しい生徒をやる気にさせ、学習の習慣を身につけさせるのもやりがいの1つです。やりがいを感じるポイントは人それぞれですが、人を育てる仕事で役立てることが塾講師の魅力なのは間違いないでしょう。

塾講師に必要な資質と能力

塾講師の説明によって理解できた児童

塾講師に必要なのは、効率的な学習ができる能力や一定以上の学歴、生徒の指導に適したコミュニケーション能力です。生徒や保護者からの信頼を考えると、学歴は高いに越したことはありません。塾講師は、大学受験を志望する高校生を指導することもあるので、大学受験を経験していることが望ましいです。受験勉強に励み合格した実績があれば、それが生徒に対する説得力になります。難関大を扱う塾の場合は、その大学に合格していることが重要です。合格実績がないと説得力が生まれないばかりか、指導力に疑問を持たれることになるからです。特定の医学部受験に対応する塾講師も同様に、受験に合格していたり現役で在籍していたりすることが求められます。

指導力という意味では、教員免許を持っていることも評価されるでしょう。教職課程にある学生も評価されますし、有名学習塾の経験者も生徒や保護者に歓迎されるはずです。学習塾は生徒を指導して成績を伸ばす必要があるので、塾講師には指導力が求められます。その指導力の根拠となるものが重要ですが、難関大や医学部合格、教員免許などが説得力を生む材料になります。

塾講師は単に頭が良いだけでなく、生徒に合わせて指導するコミュニケーション能力も必要です。生徒の立場になって考え、突き当たっている壁を乗り越えるサポートをするのが塾講師です。生徒が抱えている問題がわからないと指導できないので、まずは生徒に心を開いてもらい、悩みを打ち明けてもらうことが不可欠です。他人に警戒され抵抗感を覚えられてしまう人は、塾講師向きではないと考えられます。

塾講師はまず、第一印象で話しやすそうと思ってもらうことが大事です。話しかけやすい雰囲気や、話してみて感じる親しみやすさもまた、必要不可欠な資質や能力だといえるでしょう。生徒の質問に真摯に答えられること、相談があればしっかり向き合い、生徒のことを考えてアドバイスできる人が塾講師に向いています。生徒にとって塾講師は身近な存在の大人で、今後の人生に影響を与えると言っても過言ではありません。塾講師は、指導やサポートが生徒の人生に影響を与えるという自覚を持ち、責任感を持って対応することが求められます。楽しく学習するコツを知っていてそれを伝えられることも、塾講師に求められる資質・能力です。

塾講師になるための方法とは?

在学中に塾でアルバイトする大学生

塾講師になるには、大学に入学して就職先を探す方法が近道となります。高校時代から塾講師を目指し、得意分野を見つけて打ち込めば、その経験が仕事で活かせます。大学入学は塾講師を目指す上での大きな一歩なので、入学を目標に高校時代を過ごし、受験勉強をすることが大切です。上を目指すなら、難易度の高い難関大が選択肢になるでしょう。しかし、塾講師になるだけなら必ずしも難関大の合格、入学が条件になるわけではありません。医学部受験を扱う塾のように特化型の塾講師になりたい場合は、学部・学科の選択が重要です。塾講師そのものに資格はありませんが、教員免許のような資格を持っていれば有利なのは確かです。まずは教育学部を検討してみましょう。

採用について

塾講師は塾に採用されて初めて仕事をすることができます。採用されないことには塾講師になれないので、応募要件を満たすことが大きな目標になります。応募要件は塾によりますが、比較的難易度が低い塾でも大学生以上や短大生、専門学校生などが要件に定められています。未経験者を歓迎する塾は珍しくないので、まずは大学への入学を目指しましょう。

しかし塾によっては、塾講師同士の競争が激しく、並の学歴や経験では応募すら難しいです。応募することができても、面接の前の書類選考の段階で落ちてしまう可能性も。面接の他にも筆記試験などがあり、それに合格してようやく採用の判断となる塾もあります。独自の採用試験を設ける塾もありますよ。就職先によって塾講師になる難易度は異なりますが、就職を希望する塾が求める大学合格が共通の条件になるのは間違いありません。

「JOB-BIKI」で検索してみよう

塾講師になりたいなら、実際に学習塾や進学塾がどの大学卒業者を採用しているかチェックするのがオススメ。
「JOB-BIKI」の「就職先検索」で「学習塾や進学塾」を検索し、その出身大学を調べてみましょう。
https://www.gyakubiki.net/jobbiki/search/?word=&mode=company&gyoshu_id=1006&listing_id=

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