理学部ではなにを学べる?主な学科の種類と卒業後の進路について
2023.09.15
皆さんは理学部というと、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。なんとなく「理科系の分野を勉強する学部」というイメージがある人も多いかもしれませんね。理学部に進学すると、どういったことを学べるのでしょうか。また、卒業したらどんな就職先で働くことがあるのでしょうか。今回は、理学部の特徴や学べる分野、主な学科、卒業後の主な進路など、さまざまな情報をご紹介します。
目次
理学部はどのような学部?
まずは、理学部の特徴や主に学べること、同じ理系学部である工学部との違いも紹介します。
理学部とは
理学部は、いまだに解明されていないさまざまな現象の仕組みや法則などについて研究する学部です。「どうしてこういうことが起こるの?」という疑問を徹底的に突き詰め、数学や理科の知識を活かしながら、理論的に解明していくことが主な目的となります。
理学部の研究対象は、地球上の自然現象や物質、生物、宇宙などさまざま。進学の際は、自分の興味があるものを研究できる学科を選ぶことになります。
また、理学部では演習や実験をする時間も多いことが特徴です。入学したての頃は、どの分野でも必要な数学などの基礎知識を身に付けていくことになります。その後、専攻する分野の勉強が本格的にスタートすると、実験の時間も増えていくでしょう。
理学部で学べる分野や領域
理学部で学べる細かい内容は大学によって変わるものの、基本的には数学・物理・化学・生物学・地学(地球科学)などの分野を専攻することができます。皆さんも、学校の授業で数学や理科などを学んでいるかと思います。大学の理学部では、それぞれの分野をより深く追求していくことができるんです。
工学部との違い
理学部と工学部はどちらも理系の学部です。それぞれの違いがよくわからないという人もいるかもしれませんね。
工学部は一般的に、ものづくり関連の知識や技術を身に付ける学部とされます。科学技術によって便利なものを開発したり、今あるものを改良したりすることを目標とします。
ただ、理学部と工学部はまったく違うところばかりではなく、関連する研究を行うこともあります。それぞれの研究結果がお互いの研究に影響し合うことも。例えば、理学部の研究で発見された法則が工学部の研究で応用され、新しい技術の開発につながるケースがあります。
また、どちらとも数学や物理、化学といった理数系の知識が必要なことも共通しています。大学によっては理学部と工学部の特徴を併せ持つ「理工学部」を設置していることもありますよ。
理学部に属している主な学科
理学部にはどのような学科があるのでしょうか。ここでは、理学部に見られる主な学科や、それぞれの特徴について簡単に解説します。
数学科
数学はさまざまな科学の研究に共通する、基本的な学問の一つです。数学科では「代数学」「幾何学」「解析学」といった数学の柱ともなる理論について学べます。また、理学部は実験が多い学部ですが、数学科の場合は実験ではなく最先端の理論などを学べる演習が行われることも特徴です。
物理学科
物理学科では、物質の重さや構造、運動、熱、音、光など、さまざまな自然現象の原因や法則などを解明するための研究を行います。素粒子から宇宙まで、あらゆるスケールの事象が研究対象です。
化学科
化学科では、物質の構造、性質や、物質同士の間で起こる変化や反応などを研究することができます。分子・原子レベルのミクロな視点で物質を分析していくことが特徴の一つです。
生物学科
人間や動物、植物など、あらゆる生物を対象に、生命に関する現象を解明していく学科です。遺伝子や細胞のようにミクロな世界のことや、進化や生態などの生物の多様性に関することなど、さまざまな分野を学ぶことができます。
地学科(地球科学科)
地球で起こるさまざまな自然現象や、それによって生じた海洋や大陸、鉱物、火山などを対象に研究していく学科です。自然災害や環境問題に関する研究を行うこともあります。
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例えば「生物学」で検索すると「構造生物学」や「システム生物学」など生物学のより詳細な研究テーマが表示されます。「システム生物学」を選ぶと「ゲノム科学」や「シグナル伝達」など更に深掘りしたテーマが表示されます。生物学科がどういったことを研究する学問なのか、ぐっと理解が深まることでしょう。
じぶんがどんな研究に興味があるのか、それをどの大学で学べるのかわかります。ぜひ使ってみてください。大学選びにも学科選びにも、きっと役に立ちますよ。
理学部の設置されている大学
理学部が設置されている大学の一部をご紹介します。
他にも、京都産業大学、福岡大学、大阪公立大学、日本女子大学、学習院大学、東海大学、奈良女子大学、神奈川大学などに設置されています。
理学部で取得を目指せる資格と卒業後の進路・就職先
理学部に進学すると、どういった進路を目指すことができるのでしょうか。ここでは理学部で取得できる主な資格や、卒業後の進路の例について紹介します。
理学部で取得を目指せる資格
教職課程のある大学なら、中学や高校の教員免許を取ることができます。大学によって取得可能な免許の種類は異なりますが、主に理科や数学、情報などの教員免許を取得できるでしょう。
ほかにも、学科によってさまざまな資格取得を目指せます。例えば、数学科や物理学科などで測量士補、化学科などで毒物劇物取扱責任者といった資格を取れることがあります。どんな資格を取れるのかは大学によって違うので、ホームページやパンフレットで情報をチェックしてみましょう。
理学部卒業後の進路と主な就職先
理学部を卒業したら、大学で身につけた専門性を活かして、金融業界やIT業界など、さまざまな業界に就職して働くケースがあります。例えば、数学や物理学の知識を活かして、データ収集や分析を行うデータサイエンティストになる人や、高度な数学知識が必要なアクチュアリーとして活躍する人などもいます。半導体業界などのメーカーに就職して研究・開発などに携わる人も。また、中学校・高校の教師や予備校講師などになり、生徒を教える立場になる人もいます。
さらに、理学部の場合は、専門分野をより深く研究するために大学院へ進学する人も少なくありません。研究・開発関連の職種などは大学院卒が有利になることもあるので、目指したい仕事によっては大学院進学を視野に入れることがおすすめです。
【数学・物理学科の進路の例】
【地学科(地球学科)の進路の例】
【研究・開発に関する進路の例】
【教育業界の進路の例】
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大学の理学部の特徴や、主な学科、進路の例などについてご紹介しました。理学部では、数学や物理などの専門分野についてとことん学ぶことができます。理学部で学べることに興味がわいたら、ぜひ進学を検討してみることがおすすめです。また、興味のある職業から進学先を考える方法もありますよ。その際は、ぜひ「JOB-BIKI」を使ってみてください!「JOB-BIKI」なら、気になる仕事に実際に就いた先輩方の出身大学を調べることができるんです。例えば、理学部を卒業した人が活躍することも多いIT業界の仕事に興味があるなら「業種から探す」で「IT・広告・マスコミ」に進み、「ソフトウェア・SI」を選んでみましょう。さまざまなIT関連の企業や、そこに就職した人の出身大学をチェックできますよ。