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自動車販売業界のおもな業種4つを解説|将来性や就職に有利になる学部も紹介

2024.01.09

カテゴリー:
充電中の電気自動車

高校生のなかには、自動車に関係する職種につきたいと思っている人もいるでしょう。
自動車ができて顧客の手に渡るまでには、じつに多くの業種が関わっています。この記事では、自動車の販売に携わるおもな業種4つを紹介し、それぞれの仕事内容を詳しく解説します。また、自動車業界の将来性や就職に有利になる学部もまとめたので、ぜひ参考にしてください。

自動車業界における自動車販売業界の位置づけ

自動車業界とは、自動車(バイクやバス、トラック含む)の製造や販売に関わる業界を指し、日本の製造業の売上の約20%を占める巨大産業です。
自動車と言えばトヨタ自動車(以下トヨタ)や本田技研工業(以下ホンダ)、日産自動車(以下日産)をイメージする人も多いでしょうが、これらは自動車を製造するメーカーで、自動車業界の一部です。

自動車業界には、部品やタイヤを扱うメーカーや自動車を販売するディーラーのほか、修理メンテナンスを行う業者など、さまざまな業種が含まれます。今回は、自動車の販売に携わる業種について紹介します。

自動車販売業界の業種4つ

自動車を販売している業界は、おもに以下の4つです。

  • ディーラー
  • 中古車販売業界
  • カー用品業界
  • その他の業界(カーシェア事業者など)

ディーラー

ディーラーで働く人

ディーラーとは、自動車メーカーと特約店契約を結んだ小売業者のことです。

たとえば、「株式会社ATグループ」は、TOYOTAの正規ディーラーです。カーディーラーの「愛知トヨタ」の他に「トヨタレンタリース愛知」や「トヨタホーム愛知」など、トヨタの車種のみを扱います。

ディーラーは、特定メーカーの車種のみを扱い、新車や中古車の販売にくわえ、点検・修理といったアフタフォローも行います。

自動車ディーラーの主な職種や詳しい仕事内容については、以下の記事で詳しく解説しています。
自動車ディーラーとは?仕事の内容と求められる人の特徴 – 逆引き大学辞典 (gyakubiki.net)

中古車販売業界

中古車の査定をする人

自動車販売業界のなかには、中古車を専門に販売する業者もあります。中古車販売業者の仕事の流れは、以下のとおりです。

  1. お客さんが持ってきた車の買い取りやオークションで中古自動車の仕入れを行う
  2. 中古車に価格をつける
  3. 来店客や問合せに対して、中古車の営業や販売を行う
  4. 仕入れた車や販売した車の整備・点検を行う

中古車業界はオークションを通じた取引が主流でしたが、最近では卸売業者が個人から車を買い取り、直接小売りする傾向が強まっています。中古車販売業界で有名な会社は以下のとおりです。

中古車業界の主な職種は以下のとおりです。

職種主な仕事内容
コールセンター・車両の在庫確認や、中古車の買取査定の相談に対して、電話で対応する ・お客さまからの要望を店舗のカーライフアドバイザーや買取営業スタッフにつなぐ
買取営業・コールセンターで依頼を受けたお客さまのもとへ伺い、査定・買取を行う
カーライフアドバイザー・ショールームに来店したお客さまに、最適な車を提案する
カーライフプランナー・車検の案内や保険見直しの相談に乗る
整備士・納車前点検や車検対応、一般修理などを行う
店舗事務・書類作成や電話対応、営業のサポートなどを行う

カー用品業界

カー用品店

カー用品とは、ヘッドライトの電球やタイヤ、カーオーディオ、カーナビなど、車を購入後にあとから付けるパーツやメンテナンスに必要なものを指します。

主なカー用品店は、以下のとおりです。

カー用品店の主な職種は以下のとおりです。

職種主な仕事内容
ピットスタッフ・車検、修理、カスタマイズなど(エンジンオイル、バッテリー、タイヤ、ライトなどの交換)
フロアスタッフ・車検の受付やお返し、商品陳列、品出し、荷受、レジ業務 ・オイルやバッテリーなどのカー用品の簡単な案内
自動車保険販売スタッフ・自動車保険の新規加入、継続などの各種契約、自動車保険の説明や案内、見積り業務

その他の業界(カーシェア事業者、レンタカー会社など)

レンタカーの業務

カーシェア事業者やレンタカー会社なども自動車販売業界に含まれます。

近年では、維持費の負担を減らして、必要なときだけ車を借りる「カーシェアリングサービス」やレンタカーの需要が高まっています。
カーシェアリングとは、サービスに申し込んだ人が車を共同で使うサービスです。レンタカーと比べて短時間から利用でき、利用料金も安い傾向にあるため、車の維持費を抑えながら普段使いしたい人から人気を集めています。

今後は、自動運転車や電気自動車の普及にともない、新たなサービスも増えることが見込まれるので、自動車販売業界は伸びていく業界と言えるでしょう。

自動車業界の現状と将来性

自動運転の自動車

パンデミックとなった感染症の影響により、自動車業界は世界的に大きなダメージを受けましたが、2021年より販売台数は回復傾向にあります。

自動運転システムを搭載した車の開発や環境問題を視野に入れた電気自動車の推進など「100年に一度の変革期」と言われている自動車業界は、今後ますます発展していく業界だと考えられます。

自動車販売業界に向いている人の特徴4つ

自動車販売業界に向いている人の特徴4つは、以下の通りです。

  • 車が好きな人
  • プレッシャーに強い人
  • 人と協力して働くのが好きな人
  • 分析するのが好きな人

順番に解説します。

車が好きな人

自動車販売業界で働くなら、車が好きなほうが楽しめるでしょう。営業でいえば、車の知識が豊富なほど、お客さんのニーズを聞いたときに適切な車を選べる可能性が高いです。

たとえば、「ハイブリッド車か電気自動車の購入を考えているけど、どちらがおすすめなの?」と相談されたとき、車に詳しければ、それぞれのメリットとデメリットを説明できるでしょう。

近年では、電気自動車や自動運転の車の開発、カーシェアリングサービスの普及などが進んでいます。時代の変化と共に覚えることも多いと思いますが、車好きであれば楽しみながら知識を吸収できるでしょう。

プレッシャーに強い人

車関連の販売に携わるなら、精神的な強さも大事です。

車業界に限ったことではありませんが、販売にノルマは付きものです。ノルマは、アポの数や売上に関するもの以外にも、車検や点検の数などにも課されるのが一般的です。
ノルマと聞くとマイナスなイメージを抱きがちですが、ノルマがあることは決して悪いことではありません。

努力や実績の適切な評価や社員のモチベーションの維持、企業の発展のためにもノルマは必要だとも言えます。販売の仕事はプレッシャーに強いほうが、向いているでしょう。

人と協力して働くのが好きな人

自動車販売業界では、いろいろな職種の人と連携しながら働く必要があります。そのため、人と協力して働くのが好きな人は向いていると言えるでしょう。

たとえば中古車販売店では、お客さんからの査定の依頼をコールセンターで働く人が受け、買取営業へ伝えることで査定が進みます。カー用品店であれば、車検の受付はフロアスタッフが行い、実際に車検を行うのは整備士です。このように、各部署が連携をとることで、お客さんに満足いくサービスを提供できているのです。

分析するのが好きな人

分析が好きな人も、これからの自動車業界には向いています。
デジタル化が進んだいま、お客さんは商品を購入する前に、スマートフォンやパソコンなどで情報収集することが当たり前となっています。
お店に来る段階のお客さんは、すでに購入する商品を決めており、あとは試乗をしてみるだけという人も多いです。

お客さんのインターネット上での行動を分析し、価値観やニーズを理解したうえで自動車の購入につなげることが重要になります。

自動車販売業界で働くために学んでおくべき分野

ディーラーで働く人

自動車販売業界の募集要件に卒業学部・学科の指定があることはまずありません。どの学部・学科を卒業しても就職は可能ですが、学んでおくと現場で役立ったり、キャリアアップにつながったりする学問もあるでしょう。大学名をクリックすると逆引き大学辞典で、その大学について知ることができます。

ここでは、以下の4つを紹介します。

  • 経済学・経営学・商学部
  • 機械工学
  • 電気電子工学
  • 自動車工学

経済学・経営学部・商学部

お金の流れを学ぶ経済学や企業の経済活動について学ぶ経営学、商学の知識は、どの職種でも求められます。
自動車販売業界の経理職として働く場合は、直接知識を活かしやすいでしょう。

また、これらの学部では、お客さんの購買心理を学ぶマーケティングについても学べます。インターネットが発展した現代では、ものを売るのにマーケティングの知識は欠かせないので、学んでおくと現場で役立ちます。

経済学や経営学、商学が学べる大学の一例は、以下のとおりです。

機械工学

整備士やピットスタッフとして働きたいなら、機械工学の知識を持っているとよいでしょう。
車検や修理の際に知識を活かしやすいです。
機械工学とは、機械を作るための知識と技術を学ぶ学問のことで、工学部や理工学部などで学べます。

機械工学では、機械が動く仕組みや、動いた際に発生する力、つまり力学について研究します。力学の知識を応用することで、自動車をはじめとする機械の設計・開発に役立てます。

機械工学が学べる大学・学部・学科の一例は、以下のとおりです。

電気電子工学

これから自動車販売業界で働くなら、電気電子工学の知識も身につけておくとよいでしょう。自動車にはバッテリーや速度メーター、リチウムイオンバッテリーなど、電気電子部品が必ず使われています。また、自動車業界は、ハイブリッド車や電気自動車の開発が進んでいるため、電気電子工学の知識を必要としています。

カーライフアドバイザーとしてお客さまに車を提案するときや、整備士として働く場合などは、とくに電気電子工学の知識があるとよいでしょう。

電気電子工学が学べる大学・学部・学科の一例は、以下のとおりです。

  • 東京大学 工学部 電気電子工学科(東京都)
  • 大阪大学 工学部 電子情報工学科(大阪府)
  • 岡山大学 工学部 工学科 情報・電気・数理データサイエンス系(岡山県)
  • 山口大学 工学部 電気電子工学科(山口県)
  • 福岡大学 工学部 電子情報工学科(福岡県)

自動車工学

自動車販売の業界で働くなら、自動車工学の知識が役立ちます。自動車の構造やエンジン、デザインなど、自動車のことを幅広く学べるからです。
とくに、ディーラーや中古車店の自動車整備士として働きたい場合は、自動車整備士の資格が取得できる学部・学科を選ぶとよいです。

自動車工学が学べる大学・学部・学科の一例は、以下のとおりです。

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自動車販売業界の今後

自動車販売業界の主な業種として、以下の4つを紹介しました。

  • ディーラー
  • 中古車販売業界
  • タイヤ業界
  • その他の業界(カー用品店、カーシェア事業者など)

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