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公認会計士の年収や月収は?就職実績があるおすすめの大学

2024.01.30

カテゴリー:
報酬が多い公認会計士

世の中にある企業では、毎年「決算」と呼ばれる経営の成績を発表する手続きを行うことが、法律によって義務づけられています。この決算において、各企業が適切に手続きを行っているかをしっかりと調べて(=監査)、会計処理の正確さを証明するのが公認会計士の仕事です。高校生の皆さんにはあまり馴染みがない仕事内容かもしれませんが、社会のみんなでルールを守って企業を経営するために、とても大事な役割を担っています!

この記事では、公認会計士の年収について解説します。なお、公認会計士は弁護士や税理士といった職種と併せて「士業」と呼ばれ、高度な専門知識が求められる難易度の高い仕事として知られています。公認会計士になるには、国家資格が必須です。基礎知識として押さえておきましょう。

公認会計士の平均年収は?

まずは、公認会計士の年収を確認してみましょう。厚生労働省の職業情報提供サイトで公表される情報によると、公認会計士の年収は全国平均で746.6万円と、金額が高い傾向にあることがわかります。それだけでなく、仕事の経験年数が増えて役職につくと、さらに年収が高まる可能性も!年代別・役職別の平均年収については以降の見出しで詳しく触れるため、ぜひチェックしてみてくださいね。

【全国の平均年収】

 公認会計士の平均年収
全国746.6万円

そもそも公認会計士になるには、国家試験に合格することが必須です。公認会計士試験の合格率は年度にもよるものの概ね10%前後とされており、非常に難易度の高い資格として知られています。それだけでなく、公認会計士として働き始めるまでにも長い道のりがあるんです!具体的には、国家試験の合格後、2年以上にわたり監査・会計の仕事をサポートする経験を積んだ上で、実務補習を受講し、修了考査に合格すると、いよいよ公認会計士としての仕事がスタートします。公認会計士は年収の高い職種だといえますが、その分就職のハードルが高く、業務の難易度も高いことを押さえておきましょう。

続いて、公認会計士の平均年収を地域別にご紹介します。

【地域別の平均年収】

都道府県公認会計士の平均年収
北海道678.3万円
青森県
岩手県338.6万円
宮城県399.4万円
秋田県440.8万円
山形県722.7万円
福島県483.1万円
茨城県622.4万円
栃木県594.9万円
群馬県670.4万円
埼玉県527.9万円
千葉県671.3万円
東京都867.1万円
神奈川県582.7万円
新潟県405.2万円
富山県489.6万円
石川県839.3万円
福井県1170万円
山梨県691.4万円
長野県645.1万円
岐阜県513.7万円
静岡県659.5万円
愛知県653.7万円
三重県618.3万円
滋賀県584.1万円
京都府974万円
大阪府701.8万円
兵庫県904.9万円
奈良県410万円
和歌山県1215.2万円
鳥取県816.5万円
島根県464.2万円
岡山県1183万円
広島県556.1万円
山口県525万円
徳島県644.4万円
香川県451.8万円
愛媛県
高知県
福岡県727.3万円
佐賀県390.3万円
長崎県731.2万円
熊本県446.9万円
大分県615万円
宮崎県
鹿児島県575.5万円
沖縄県1191.7万円

※調査データなし

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)

URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/90

平均年収が特に高い地域として、和歌山県(1215.2万円)、沖縄県(1191.7万円)、岡山県(1183万円)、福井県(1170万円)などが挙げられます。都市部では東京都(867.1万円)や大阪府(701.8万円)も平均年収が高い傾向にあります。このように比較してみると、都市部だけが極端に平均年収が高いわけではありません。公認会計士は企業の監査・会計に欠かせない職種であるため、企業があればその分需要が発生します。地方には多くの中小企業が拠点を構え、地域によっては大手企業の本社があることも。都市部に限らず、全国各地の会計事務所や監査法人で活躍のチャンスがあり、安定して高収入が期待できる職種なんです!


公認会計士の年代別の平均年収

若い公認会計士

ここでは、厚生労働省の職業情報提供サイトを基に、公認会計士の年代別の平均年収をご紹介します。

【年代別の平均年収】

年代公認会計士の平均年収
19歳以下
20歳~24歳475.48万円
25歳~29歳568.01万円
30歳~34歳619.19万円
35歳~39歳722.75万円
40歳~44歳794.69万円
45歳~49歳819.59万円
50歳~54歳868.16万円
55歳~59歳1071.91万円
60歳~64歳598.78万円
65歳~69歳661.08万円
70歳以上629.43万円

※調査データなし

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)

URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/90

公認会計士の平均年収がもっとも高いのは55歳~59歳で、平均年収は1071.91万円です。その一方で、平均年収がもっとも低いのは20歳~24歳で、平均年収は475.48万円、さらに19歳以下になるとデータがありません。

公認会計士国家試験の合格者は、20~30代が大部分を占めています。国家試験の受験資格は年齢や学歴による制限が設けられていませんが、20代以上で大学卒業後に合格して働き始めるのが一般的です。20代以降は年代が上がるにつれて平均年収が高まる傾向にあり、50代後半でピークを迎えますが、その後も平均年収は依然として高い水準にあります。

公認会計士は仕事で経験を積み、上位の役職につくことで報酬が高くなります。たとえば監査法人の場合、入社10年目以降で任される役職では年収が1,000万円を超えることも珍しくありません。役職と年収に関して詳しくは以降の見出しで解説します。


公認会計士の役職別の平均年収

キャリアの異なる公認会計士たち

ここでは、公認会計士の主な就職先の一つである監査法人の役職と、それぞれの平均年収をご紹介します。監査法人とは、公認会計士の仕事の中でも、監査の業務を担う法人のこと。大手から中小までさまざまな規模の監査法人がありますが、多くの場合「スタッフ」「シニアスタッフ」「マネージャー」「パートナー」の流れで役職が設けられているのが特徴です。公認会計士のキャリアを理解しやすいため、ぜひ参考にしてみてください。

スタッフの平均年収

監査法人の「スタッフ」は、目安として入社1~5年目で担うことが多い最初の役職です。公認会計士として働き始めて間もない段階であり、上位の役職からの指示に従って監査業務に取り組みます。スタッフの年収の目安は、300万~500万円です。働き方次第では、これに残業代が加わり、年収500万円以上となる可能性もあります。

シニアスタッフの平均年収

監査法人の「シニアスタッフ」は、目安として入社4年目以降で担うことが多い役職です。一般企業でいうと、部下の指導と上司の補佐を同時にこなす中間管理職のような位置づけになります。監査業務の経験を積むことで昇進のチャンスを得られますが、昇進のタイミングは能力によって差が出ます。シニアスタッフの年収の目安は、500万~700万円です。

マネージャーの平均年収

監査法人の「マネージャー」は、目安として入社10年目以降で担うことが多い役職です。監査法人によっては、マネージャーに段階が設けられており、「アシスタントマネージャー」「マネージャー」「シニアマネージャー」の流れで昇進することも。管理職としてマネジメント(=経営の管理や組織の運営)を担う、重要なポジションです。マネージャーの年収の目安は、700万~1,000万円となります。

パートナーの平均年収

監査法人の「パートナー」は、目安として入社15年目以降で担うことが多い、もっとも上位の職種です。パートナーは監査法人の経営に携わる立ち位置にあり、一般企業でいうと役員(=経営者とともに経営の責任を負う役割)クラスに該当します。公認会計士や管理職としての能力に加えて、経営のスキルも不可欠です。パートナーの年収の目安は1,000万~2,000万円です。


公認会計士の就職実績がある大学

立命館大学

公認会計士になるには国家資格が必須で、合格するためには監査・会計の高度な知識が必須です。難易度の高い国家試験の合格を目指して、在学中から公認会計士を目指して学べる進路を選ぶと良いでしょう。ここでは、公認会計士を目指す人におすすめの大学をご紹介します。大学名をクリックすると、逆引き大学辞典のページが開きます。

慶應義塾大学

慶應義塾大学は、東京都港区にある私立大学です。公認会計士国家試験の合格者数が高く、2022年の時点で合格者数48年連続第1位という実績があります。商学部には公認会計士を目指す学生向けに「会計研究室」が設置され、監査法人見学会などの手厚いサポートが用意されています。

中央大学

中央大学は、東京都八王子市にある私立大学です。商学部の会計学科では、企業経営やマネジメントの専門知識を体系的に学べます。また、学内にある経理研究所では「公認会計士講座」が開催されており、大学内でのダブルスクールによる公認会計士試験対策が可能です。

法政大学

法政大学は、東京都千代田区にある私立大学です。経営学部の経営学科では、会計を含む経営管理の基礎を学び、会計分野のプロフェッショナルとして活躍する人材を育成しています。市ヶ谷・多摩のいずれのキャンパスでも、会計専門職講座が実施されている点にも注目です。

立命館大学

立命館大学は、京都府京都市にある私立大学です。経済学部は、複数の関連性の高い分野をパッケージ化した「ユニット制」で科目を学ぶのが特徴で、「ビジネス戦略」のユニットでは会計やマネジメントを学べます。また、在学生はエクステンションセンターで開催される「公認会計士講座」を受講可能です。

神戸大学

神戸大学は、兵庫県神戸市にある国立大学です。経営学部のカリキュラムでは、専門科目として会計分野を学ぶことができます。さらに、経営学部では公認会計士を育成する特別プログラムとして「会計プロフェッショナル育成プログラム」が用意されているのも魅力です。

明治大学

明治大学は、東京都千代田区にある私立大学です。公認会計士を目指す人におすすめなのが、商学部の「アカウンティング(Accounting=会計)コース」です。その名の通り会計学に特化しているのが特徴となります。さらに学内には公認会計士対策の講座を行う「経理研究所」も設置されています。


公認会計士のキャリアアップや年収を上げる方法

あずさ監査法人

最後に、公認会計士となった後のキャリアアップや、年収を上げる方法についてお伝えします!

公認会計士のキャリアアップの方法

公認会計士国家試験に合格した後は、多くの公認会計士が監査法人に就職します。監査法人は実力主義の世界。能力の高い人は、先ほどご紹介した「スタッフ」「シニアスタッフ」「マネージャー」「パートナー」の役職で目安とされる年数よりも早く、上の役職に昇進する可能性があります。キャリアアップを実現するには、まず仕事の経験を積むことが必要です。さまざまな業界の監査を担当したり、大規模な企業の監査を担当したりして、幅広い専門知識とスキルを身につけながら上位の役職を目指しましょう。

公認会計士として年収を上げる方法

公認会計士として年収を上げるために視野に入れたいのが、独立開業です。監査法人で一定の経験を積んでから、専門分野の業務経験を活かして会計事務所を経営します。ただし、独立開業して年収を上げるには、仕事の専門性を高めて競争力をつけ、お客様から信頼して仕事を任せてもらわなければなりません。そのためにも、監査法人で働いている間に公認会計士としてのスキルに磨きをかけるのが必須です!

また、就職先の監査法人で一定の経験を積んだ上で、転職によって年収を上げる方法もあります。たとえば、転職前の監査法人でマネージャーとしての経験を積み、これまでの経験を活かして転職することで、転職先の監査法人ではパートナーとしての就職を目指すことも可能です。役職が上がり、これまでよりも年収を上げられる可能性があります。

公認会計士の代表的な就職先

公認会計士の代表的な就職先として押さえておきたいのが「Big4」と呼ばれる大手監査法人です。これらの大手監査法人は海外に本部があり、世界で通用するグローバルな監査手法が用いられているのが特徴。大企業の顧客が多いことから、規模の大きい監査も数多く担っています。企業名をクリックすると、出身大学がわかる「JOB-BIKI」が開きます。

【4大監査法人(順不同)】
有限責任監査法人トーマツ
有限責任あずさ監査法人
EY新日本有限責任監査法人
PwCあらた有限責任監査法人

難易度の高い仕事が多く、必然的に所属する公認会計士に求められるスキルのレベルも高くなります。公認会計士として自分のスキルを高めたいなら、大手監査法人への就職を目指してチャレンジしてみてはいかがでしょうか?


公認会計士を目指すなら「JOB-BIKI」で大学検索!

ここまで、公認会計士の年収について解説しました。公認会計士になるには国家試験に合格することが必須。公認会計士国家試験は難易度が非常に高いため、監査・会計を体系的に学べる経済学部・商学部・経営学部などの進路を選び、在学中から専門知識を身につけられると理想的です。公認会計士を目指すなら、ぜひ「JOB-BIKI」で進路を調べてみましょう!就職先検索に「監査法人」と入力すると、有名な監査法人で活躍する先輩たちの出身大学を調べられます。Big4の「有限責任監査法人トーマツ」や「有限責任あずさ監査法人」といった名前を入力して調べることも可能です!進路を考え始めたら、「JOB-BIKI」をお役立てください。

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