バス業界とは?就職する魅力・職種・おすすめの進路などをご紹介
2024.02.21
「地域に貢献できる仕事がしたい」「人の思い出に残る仕事がしたい」と思い、バス業界に興味を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、バス業界における具体的な職種・業務内容・魅力などについて大まかなイメージのみお持ちの方もいらっしゃるでしょう。この記事では、バス業界とはどのような業界で、魅力が何か、職種やおすすめの進路などについてご紹介します。バス業界に興味がある方は、ぜひチェックして進路選びにお役立てください!
目次
バス業界について
バス業界とはどのような業界なのか、なんとなくのイメージはあるものの、具体的にはあまりよく知らない方もいらっしゃるでしょう。はじめに、バス業界の基本的な情報と、バス業界で働く魅力についてご紹介します。
バス業界とは?
バス業界は、交通・運輸業に位置する業界です。主に、バスへ乗客を乗せて輸送するサービスを提供しています。
しかしバス業界と一口にいっても、乗り合いバス・貸し切りバス・民営バス・公営バスなど複数の種類があります。乗り合いバスは、主に一般道路を走行してバス停経由で乗客を輸送する、地域密着型のバスです。一方、貸し切りバスには観光バスやスクールバスなどがあり、特定の乗客を乗せて運行します。
また、なかにはバス業界について「長時間勤務で大変なのでは?」「休みが少ないのでは?」といった不安を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか?バスの運行にあたっては、乗客の安全を預かることから、法律で運転士の拘束時間・運転時間・休息時間などが細かく定められています。くわえて2024年4月以降は残業時間や労働時間の上限規制が厳しくなるため、より働きやすい環境になっていく可能性が高い業界です。
また乗り合いバスのなかには、勤務態勢の見直しで、混み合う時間帯は運転を担当して日中は事務として勤務するといった、柔軟な働き方も登場しています。そして女性のドライバーや社員が増えてきたことから、性別関係なく活躍できるようになった点も特徴的です。このように、大規模な働き方改革が進んでいる業界といえます。
さらに昨今ではドライバー不足や地域の過疎化といった背景から「バスの自動運転」を実験的に取り入れているバス会社も。自動運転技術を間近で体感したり、最新の乗り物の運行に携わりながら地域住民の生活を助けたりする仕事も、今後は増えていくことが予想されています。
バス業界で働く魅力
勤務するバスの種類によって、それぞれ異なる魅力があります。
乗り合いバスに携わるなら、公共交通機関(インフラ)としての役割があり、社会への貢献度が高いため、地域や乗客の生活を支えられるやりがいを感じられるでしょう。貸し切りバスの運行を担う場合は、観光バスでお客様の大切な旅をサポートして、思い出作りに関われることに魅力を感じられるはずです。スクールバスの場合は、子どもたちの安全を守り、かつ学びの機会を得るサポートができ、子どもや保護者の方から感謝される機会を多く得られるでしょう。
またバス業界の魅力はドライバーだけではなく、バスを整備したり運行管理をしたりする仕事にもあります。整備や運行管理を担う職種の場合、自身の携わった仕事によってバスの事故発生を防ぎ、お客様の安全を確保しているという点にやりがいを感じられるでしょう。さらにバス業界の花形ともいわれているバスガイドなどの案内役に携わった場合は、楽しい旅行になったと感謝されたり喜んでもらったりすることで、大きなやりがいを感じられる点が魅力です。
バス業界の代表的な企業の例
バス業界における代表的な企業として、民営・公営それぞれを挙げると、下記のとおりです。
*民営バス・・・西日本鉄道株式会社、神奈川中央交通株式会社、株式会社はとバスなど
*公営バス・・・東京都交通局、名古屋市交通局、横浜市交通局、京都市交通局など
西日本鉄道株式会社と神奈川中央交通株式会社は、バス業界におけるトップ2社といわれています。どちらの企業も、乗り合いバスと貸し切りバス、双方の事業展開をしています。
西日本鉄道株式会社は、太宰府散策きっぷ、くるめグルメきっぷなど、お得に使えるきっぷを豊富に取り扱っている点が特徴です。
神奈川中央交通株式会社は、東京ディズニーリゾート®や御殿場アウトレット、富士急ハイランドなどの人気施設までの直行貸し切りバスが多い点が特徴。
株式会社はとバスは、観光バスだけでなく、路線バスの運行受託、ホテル経営など、幅広い事業を手がけているのが特徴です。
また公営バスを運営する交通局は、バスの他に都営や市営地下鉄の運行も担っており、より広くライフラインを担っている傾向にあります。事業の広さにともなって、地下鉄・バスを組み合わせて利用するお得なチケットの提供、金融機関と協力してPASMOオートチャージに対応したクレジットカードを提供するなど、民営バスに見られない特徴的な施策を打ち出しているのも特徴です。
バス業界の職種
バス業界で働く場合、運転士だけでなく、さまざまな職種を選択できます。お客様と直接関わる「フロント業務」を担う職種、陰で支える「バックオフィス業務」を担う職種など、さまざまです。主な職種を4種類ご紹介します。
総合職
総合職は、事務の面からバス運行をサポートする職種で、フロント業務・バックオフィス業務双方を担っています。例えば、バスの運行管理、事務所の窓口での顧客対応、旅行の企画作成、営業業務、広告作成業務など、担う仕事の種類は多岐にわたります。求められる知識・経験・能力が幅広いため、自身の「好き」や「得意」を活かせる職種です。
運転士
運転士(ドライバー)は、実際にバスを運行させる職種です。そのほかにも、運行前と運行後に車両の点検をして、安全性をチェックするのも仕事のひとつ。総合職と同様に、フロント業務・バックオフィス業務双方を担います。ただし、会社によっては乗り合いバスを10年経験しないと貸し切りバスの運転を担当できないといったケースもあります。貸し切りバスの運転士を志したい方は、特に募集要項を細かくチェックしておきましょう。
バスガイド
バスガイドは、お客様に旅を楽しんでいただけるよう、接客と旅程管理を行う職種です。バスの運行中や降車中に、観光地の歴史・地理・史跡・名物などにまつわるさまざまなエピソードを提供したり、レクリエーションで楽しませたりします。また運転士と連携してバス旅行の運営を担うとともに、その補佐として安全確認や誘導をすることも、重要な仕事内容のひとつ。バス業界における花形と言われるゆえんのフロント業務だけでなく、バックオフィス業務も滞りなく担当できる必要があります。
運行管理者
運行管理者は、バスの運行管理、乗務員の点呼、シフト作成、乗務員への指示出しなどを担当する職種です。安全かつダイヤ通りに運行させ、滞りなくバス運行ができるよう支えます。社員募集時には、事務職や事務系専任職として掲載されている場合もあります。
バス整備士
バス整備士は、バス車両の点検業務を担う、バックオフィス業務を主とする職種です。法令に則って3ヵ月点検や車検(12ヵ月点検)をして、異常の有無を確認、対応します。ただし、バス会社によってはより短いスパンで点検を実施している場合もあり、速さ・正確さ・ていねいさが求められる点が特徴です。
バス業界で求められる人とおすすめの学部
バス業界の主な職種をご紹介しましたが、その仕事に就くには、どのような資格取得や学部の卒業が必要なのでしょうか?就職先としてバス業界を目指す場合に求められる経験・資格、就職が向いている人、おすすめの学部について、それぞれご紹介します。
求められる経験や資格
バス業界における主な職種は5つで、求められる資格は下記のとおりです。
*総合職・・・資格不要
*バス運転士・・・大型二種免許
*バスガイド・・・資格不要
*運行管理者・・・運行管理者
*整備士・・・自動車整備士
総合職として勤務する場合に必須の資格はありません。ただし顧客対応をする場合もあるため、観光に関する知識を習得していたり観光の豊富な経験があったりすれば、業務で役にたつでしょう。
運転士に必要な大型二種免許は、普通免許取得後3年以上に取得できます。運転免許はあらかじめ取得していることが望ましいですが、入社後に養成制度・サポート制度を受けて取得できる会社もあります。ただし養成制度の有無や内容は会社によって異なるため、入社後の普通運転免許・大型二種免許の取得を目指す方は、募集要項をよく確認しておきましょう。
バスガイドとして勤務する場合、必須の資格はありません。入社後に研修を受けてから業務に携わります。研修では発声方法・言葉遣い・立ち居振る舞い・乗客の誘導方法など、業務にかかる多岐にわたる内容を学びます。
運行管理者の資格は、国家資格に該当する資格です。資格試験を受けるには1年以上の実務経験が必要で、合格には一定水準以上の知識と能力が求められます。そのほか、実務経験を積んだうえで講習を受けて取得することもできますが、その場合は5年以上の勤務経験と5回以上の講習を受けなければなりません。
また整備士として勤務するには、国家資格の自動車整備士資格が必要です。自動車整備士資格を取得するには、専門学校へ進学して資格取得するほか、入社後に経験を積みながら取得する方法があります。自動車整備士資格の2級を取得すると、検査主任へのキャリアアップに臨めるようになります。
バス業界に向いている人
バス業界へ就職するのが向いている人は、主に下記のような人が当てはまるでしょう。
*さまざまな方向性から物事を観察できる人
*好きな場所や特定の地域に貢献したい人
*時間の管理を徹底して行える人
業務ひとつにおいても複数の方向から注意深く観察し、その都度対応できる人は、向いているといえるでしょう。フロント業務(運転士やバスガイド)の場合は、車内・車外の安全管理や、乗客同士のトラブル対応、急病人発生時の対応方法などを把握しておく必要があります。バックオフィス業務の場合も、運転士・車両のコンディション、シフトやダイヤに変更が生じた際の対応などに気を配らなければなりません。
また、運行地域のことが好きで、その地域の日常を支えたい人や、観光地が好きで広く魅力を伝えたい人などもバス業界での仕事に向いています。運行地域とその生活を支えるバス、そして観光地への快適な旅の演出など、業務内容に対して「好き」の気持ちがあることで、より魅力的なPR・サービスの提供が可能になるでしょう。
さらにバス業界では、多くの車両が安全に時間どおりに運行できるよう、しっかりと計画をたてて管理することが求められます。バス業界では、とにかく「時間」と「安全」が重要になるため、時間・計画の管理や予定を立てて遂行できる人が向いています。
バス業界で働くためにおすすめの学部
バスの運行を通じて、国籍を問わずお客様全員に楽しんでもらうためには、観光学部や言語文化学部などで学んだ知識が役立つでしょう。また地域密着型のバス会社へ就職するなら、住民と積極的にかかわりあったり助けたりできるよう、社会学部で学ぶのもおススメです。一方、バス会社が抱えている課題を解決し経営の面からサポートしたい方は、経営学部の知識が役立つでしょう。
さらにバスの整備士を志すならば、資格取得が目指せる工学部などもおススメです。
<おすすめの大学・学部例>
*立教大学観光学部
*東京外国語大学言語文化学部
*法政大学社会学部
*名古屋商科大学経営学部
*前橋工科大学工学部
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